夜空を纏う四ノ姫3

□匣、メローネ基地
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「確認されている敵の数は5名
敵の侵入目的を主要施設の破壊と仮定した場合、
考えられる敵の優先破壊対象はメインコンピュータールームで確率は42%
次にこの第一通信司令室で28%
そして入江様の研究室12%、その他と続きます」

「そうか…
(本当の優先順位は逆なんだがな…)」


入江の険しい表情に手塚の眉間にもしわが寄る
しかしチェルベッロが端的に言った


「ですが我々はどれもボンゴレの手に落とすつもりはありません」

「ん?ああ…その通りだな」

「そこで桜様から戦力を3点に分け、
それぞれに配備し警護することを提案されました」

「…それは敵が集中していた場合は空いた者をフォローに向かわせればいいということか」

「はい」

「なるほどな。で、その戦力というのはどうなっている」


入江がそう言うと、チェルベッロは桜様が仰るには、と前置きして言った


「戦歴のあるC++ランク以上の者に部下を持たせ配備するつもりですが、
謹慎中の者の処遇により戦力は大きく変わってくるそうです」


それに入江の片眉が動いた
該当する者たちがすぐに頭に浮かぶ


「第3アフェランドラ隊のことか………………………
わかった。彼らも戦力に数えてくれ」

「はっ」

「では現在基地にいるC++ランク以上の戦士をリストアップします

第3部隊 電光のγ、ブラックスペル

同じく嵐炎の太猿、ブラックスペル

第12部隊 妖花 アイリス・ヘプバーン及び死茎隊、ホワイトスペル

第8部隊 魔導師の人形(マジシャンズドール)ジンジャー・ブレッド、ホワイトスペル

第7部隊 白の殺戮者 バイシャナ、ホワイトスペル

第9部隊 鬼熊使い ニゲラ・ベアバンクル、ブラックスペル

幻騎士 ブラックスペル

そして第0部隊 殲滅姫(アニヒレイト) 神崎桜、ホワイトスペル」

「さらに、第0部隊十二煉華もリストアップすると、

紫苑 手塚国光、ホワイトスペル

菖蒲 不二周助、ホワイトスペル

ステルンベルギア 跡部景吾、ホワイトスペル

蝦夷菊(アスター) 真田弦一郎、ブラックスペル

ゴデチア 柳蓮二、ブラックスペル

エンゼルランプ 切原赤也、ブラックスペル

ナズナ 白石蔵ノ介、ホワイトスペル

アカシア 忍足謙也、ブラックスペル」

「配置は幻騎士、アイリスをコンピュータールームへ
司令室をγ、太猿、ジンジャー
研究室をバイシャナとニゲラで固めるつもりです
桜様及び十二煉華は入江様の指示で入れます」


聞いた入江は顔をしかめた
手塚がバイシャナ…と呟く


「確かあの男の匣……」

「ああ。研究室の配置がひっかかるな
とくにバイシャナ…奴とあの匣は危険だぞ」

「だからこそ戦力的にぬかりのない配置かと…
例の件でしたらまさかこの緊急時に…」

「こんな時だからこそだ!!
あの男を野放しにするな!!
静止する力が必要だ」

「では幻騎士を研究室に向かわせます」

「そうしてくれ
(研究室に何かあってはシャレにならないからな)」

「それで、桜様たちはどうなさいますか?」


入江は顎に手を当てて唸った
手塚を見ると、彼も険しい表情だ


「桜は体調が最近よくないみたいだし、相手はボンゴレだ
白蘭サンもあまり無理をさせたくないみたいだし、桜の意思に任せよう
好きに動いていいと伝えてくれ
桜なら何の心配もいらない
本音を言えば休んでいてほしいけどね」

「はっ」


入江は様々な思いに悩みながらそれだけ言った
手塚は感心したように見つめる
すると入江が手塚を見た


「それから手塚くんたちだけど、君はここにいてほしい」

「分かった」

「後の皆は桜か君か、跡部くんに任せる
僕よりもきっと君達の方が効率よく考えられるだろう」

「分かった。では俺から桜に連絡しよう」

「ああ。頼むよ」

「配置を各人に伝達せよ」

「はっ」


チェルベッロがそう言えば、部下が返事をする
すると感嘆の声を彼は上げた


「さすが歴戦の猛者は違いますね」

「どういう意味だ?」

「すでにニゲラ氏は自分の判断で研究所に向かっている模様です」

「……なるほどな」


手塚は視線を外し、無線を入れた
それも全員と一斉に繋がる事が出来る命令形伝達用だ



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