夜空を纏う四ノ姫3

□目指した先
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「この計画は絶対にバレないように
僕と10年後の君と10年後の雲雀恭弥の3人だけの秘密だったんだ
10年後の雲雀君がこちらの奇襲を予想できたのもそのためなんだ」

「なんと…」


聞かされていなかったのだろう、草壁が目を見開いた


「そして10年後の君は関係ない仲間を巻き込むことには最後まで躊躇していたが、
最終的に過去の自分達の成長に必要だと了承したんだ」

「ありえん!!沢田の性格は知っている!!」

「そーだ!!10代目はチビを巻き込んだりしない!!」


ラルと獄寺が猛反論する
だが入江は頭を掻き毟って声を荒げた


「それぐらいヤバイ状況ってことでしょ!?
話の流れで察してくれよ!!」

「落ちつけ、入江」

「………………正一…逆ギレ」


手塚が肩に手を置き、スパナは小さく吹き出した
入江は極度の緊張と苛立ちからか、語気を強めた


「全てを賭けてこの事態に対処しないと君達も君達の仲間も全滅しちゃうんだって!!
それどころかもっと多くの人々の…ヘタすれば人類の危機なんだぞ!!」

「人類の…危機…?」

「それとこれから来るっていう戦いが関係してるんだな?」

「え?あ…うん………」


今まで黙っていたリボーンが口を挟み、ツナは驚いて彼を見下した
不二や赤也も彼をジッと凝視する


「…リボーン!?…………」

「俺は信じてやってもいいと思ってるぞ
オレが感じていた疑問の答えとしては、今んとこつじつまが合ってるからな」


リボーンが信じると言い、全員押し黙った
入江はホッとしたように肩を下し眉間を揉んだ


「あ…ありがとう………
そうだ…君達の敵となるのは…白蘭サンだ」


白蘭は7を集めこの世界を自分のものにするための意志を7ポリシー≠ニ名付けた
これが達成されれば今の比ではない地獄絵図を見ることになると入江は顔を引き攣らせた


「ホント、おっかねー人だよな……」

「それに薄気味悪いよね」


赤也と不二が呟く
するとリボーンが疑問を述べた


「だとすると1つわかんねーな
何で今まで白蘭に手をかしてきたんだ?」

「まぁ、当然の疑問やな」

「入江が10年バズーカでボンゴレリングをこの時代に運ばなければ
奴の目的は達成されないはず、そういうことだなアルコバレーノ」

「そうだ。そうすれば最終的に犠牲は少なくて済んだかもしれねーぞ」


リボーンの真っ当な疑問に入江は複雑そうに答えた


「…うん…一時的にはね
でも僕の手などかりなくても彼はいずれ君達を未来に連れてくる…
何より桜がいるからね。簡単にできたと思うよ」

「!!」

「そうだ!!桜はこの基地にいるんですよね!?」


ツナがそう顔を強張らせるのを入江は悲しそうに見て手塚を振り返った
手塚達も険しい表情で頷く


「桜は、もうここにはいない」

「えっ!?」

「元々僕達、桜に召集を受けていたんだ
でも、それに行かなかった」

「そしたらさっき、白蘭サンから連絡が来たんや
イタリアに帰ったってな」

「彼女独自のルートだそうだからもう着いているかもしれない」

「そ…そうですか……」


悲しそうにツナは目を伏せた
嬉しいのか悲しいのか、よく分からない
彼女と戦わなくて済んだことは嬉しいが、会えなかったことは悲しい
いまだ、彼女が自分の敵だと言う事がツナにのしかかってきて唇を引き結んだ

するとラルの荒々しい声が飛ぶ


「それよりも、貴様らは桜の部下だろう!!」

「あっ」

「そういえば……」


ツナは顔を上げ、4人を見た
眼鏡をかけた男性は、写真で見たNO.3


「十二煉華っつーのは、桜の部隊の幹部の俗称だって話だったな」

「それに貴方は………忍足さんの従兄弟、忍足謙也さん!!!」


いくつもの目が謙也に注がれる
謙也は困った顔をした


「あ〜確かに…俺は忍足謙也や
そして桜の部下でもある
その話もしっかりするつもりや
せやけど、今大事なことがあんねん」


「な、入江」と振られた入江は慌てて頷いた



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