夜空を纏う四ノ姫3

□We are VARIA!!
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城から南に進むベルとフラン
木の枝を飛んで渡る彼等は敵地を進んでいるというのに飄々としている


「ベルセンパーイ。やっぱ前いってくださいよ
殺気が背中に痛いですー」

「しししっやだね
脳と心臓どっち刺すか決めるから待ってろ」

「ほんっと歪んじゃって生き物として最悪ですよねー堕王子って」

「だれが堕王子だっ」

「でっ」


フランの言いようにベルはナイフをフランの背中に投げた
それは全てフランの背中に突き刺さる


「あ〜涙でてきた…
絶対アホのロン毛隊長にちくりますー
センパイ殺す許可もらいますー
それか戻って来た桜さんに話しに行きますー
センパイがミーに暴力振るうって」

「おい…刺さったら死ねよ」


しかしフランは飄々とした態度が崩れない
全く堪えていないようだ


「思うんですけどー
センパイそんなんで頭のネジ抜けてるから本当は祖国を追い出されたんですよー
きっと家族とかに嫌われて帰れないからヴァリアー入ったんでしょ?うっ」

「バーカ。それはねーよ」


再度ナイフを投げながらベルは事もなげに言う


「だってみんな殺しちまったもん」

「いいかげん刺すのやめてくださーい」


次々と背中にナイフが刺さるが、フランは全く堪えていなかった
























スクアーロは苛立っていた
この忙しい時に、ヴァリアーのボスであるザンザスが唯我独尊でいることに
そのままの勢いで襲ってくるミルフィオーレの下っ端に暴雨鮫(スクアーロ・グランデ・ピオッジャ)を開匣する


「あれが作戦隊長の匣兵器…その名の通り鮫(スクアーロ)!!」

「剣を抜くこともなく…」

「ったりめーだ。こんなぺーぺーのぺーに手こずってられるか」


匣をしまったスクアーロはザンザスの八つ当たりによって倒れていた部下に言う


「オレ達の目的は6弔花級のボスを討って白蘭と桜をひきずりだすことだぁ
そろそろ無線を耳につけろとボスに伝えろぉ!!いやでもつけろとな」

「「「はっ。了解しました!!」」」

「肉は後で何とかしてやると言っとけぇ!!!クソボスがぁっとな!!」

「「「はっはい!!
(ぜってー言えねぇ!!)」」」


また半殺しにあうだろうと遠い目をするが、
ここで言わなければスクアーロに殺されてしまうだろう
部下が慌ててスクアーロの前から走り出した
それを見下ろし悪態をつく


「カスどもが
(…さぁて大物がかかるのは東か南か…


……………?)」


スクアーロは気配を感じて切れ目の目を周囲に向けた
じっと息を殺すようにする。すると






「フフッ。流石ヴァリアーの幹部だね」






「!?誰だぁ!!!」


スクアーロは突如聞こえてきた声に声を荒げた
その声の主は笑いながら枝の上に立っていた
その表情は見えない


「貴様ぁ!!6弔花かぁ゙ぁ゙!!」

「フフッ。残念だけど6弔花じゃないよ
ただ、一応初対面じゃないから顔は知ってるかもね」


柔和な声の主はそう言って暗がりから顔をのぞかせた
その顔にスクアーロの目が見開かれる


「てめぇ……あの時の……」

「どうやら覚えててくれたようだね。ありがとう
一応自己紹介をしておくと、







第0パフィオペディラム隊十二煉華B級







幸村精市だ。よろしく







そう言って、10年前にボンゴレリングを賭けた戦い
その時に見た彼が成長した姿でスクアーロの目の前に現れた



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