夜空を纏う四ノ姫3

□We are VARIA!!
4ページ/6ページ




南地点


「よーし。ここらで待ちぶせるか」


そう言って枝の上で足を止めたベル
フランは飄々と声をかけた


「ベルセンパーイ
背中に刺さった趣味の悪いナイフ抜いてもいいですかー?
いかにもオリジナルナイフだぜーって主張するこの形状が相当恥ずかしいんで」

「……………………きれいに磨いて揃えて返せよ」

「それは嫌ですーこんなものこんなもの」


そう言うとナイフを抜きとり、バキバキと折って捨て始めた
ベルはキレてリングに炎を灯す。嵐の赤い炎だ


「てんめっ」

「あ〜怒ったんですかー?
折らずに捨てますから」

「捨てんなっ」


ベルは匣を開講して嵐ミンク(ヴィゾーネ・テンペスタ)を肩にのせた


「それ以上捨ててみ。おまえ燃やす」

「じょーだん…じょーだんですよー」


しかしそう言いつつ手を振った為にナイフが落ちる
ベルが「カチーン」と言い嵐ミンクが唸ったことにフランは生唾を飲み込んだ


「死ねよ」

「しっしっ来んな」


手で追い払う動作をするが効果があるはずもない
突っ込んでくる嵐ミンクを避ける為に身を屈めたフラン。すると


「がっ!」

「ぐわぁ!!」

「おおベルセンパイ。敵がいるのに気づいてたんですねー」

「ったりめーだ。数は30ってとこか」

「ごくごくまれにですが、本当に天才かもって思ったり思わなかったり」


隠れていた敵を倒したベルにフランはそう言う
ベルはそれに笑ってお決まりの言葉を言った


「ししし。天才に決まってんじゃん
だってオレ―――――――――王子だもん」

「相変わらず意味わかんないんですけどー」

「おまえはそこで首洗って待ってろ
さあやっちゃっていいぜ<ミンク>」


ミンクと呼ばれた嵐ミンクは吠えると森の木を嵐の炎で燃やした
そして宙に浮かぶ敵の間をすり抜けていく
身体をなすりつけるように






紅蓮の炎(フィアンマ・スカルラッタ)!!!






凄まじい勢いで燃え広がる炎が敵を炙る


「嵐ミンクに体毛を擦りつけられた物体は
摩擦によって嵐属性の炎を発火し分解しつくされるのだ
…………命令通りに解説しましたー」

「ごくろ♪そーゆーのあった方が感じ出んだろ?」


嵐ミンクの解説をしたフランにベルはご満悦だ
燃え盛る炎を前に呑気だった


「よく燃えてんなー」

「環境破壊とか考えたことありますー?」


すると、突然雨属性の炎が降り注ぎ炎を消した
























カプセルから獄寺たちを解放し、謙也は緊急用ベッドを設置した


「怪我人をベッドに連れて来てや。晴の炎で回復したる」


「よっと。そっちしっかり持っててくださいよ周助さん」

「分かってるよ」


入江はクロームに抱っこされているランボを複雑な思いで見ていた


「(この姿…10年ぶりだ…)
だ…大丈夫なのかい?」

「この子寝てる…」


すると獄寺が拳を握り締め、雲雀がトンファーを構えて入江の後ろに立っていた
その殺気に入江は肩を震わせた



.
次へ
前へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ