夜空を纏う四ノ姫3

□We are VARIA!!
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「おい入江。一発なぐらせろ
ワケありだったとしても腹の虫がおさまらねぇ!」

「僕が先だよ」

「い゙っちょっ君達?」

「まあ待てお前達」


慌てる入江の前に立ち、リボーンが止めた
手塚がリボーンを見下ろす


「入江にはまだ聞かなくちゃなんねーことがあるだろ?」

「?」

「白蘭の能力ってのは何なんだ?」

「…………」


手塚は眉間にしわを寄せた
入江も真面目な顔をして口を引き結ぶ


「一言で説明するのは難しいが、
能力自体は極めて限定的な状況でしか使えないものなんだ……………
だがこの時代に起きているありえないことの多くが白蘭サンのその能力に起因している」

「(ありえないこと…?)」


ツナは首を傾げた
























ベルとフランの前に、雨属性のペリカンと、ゴツい執事が現れた
執事はベルに厳かに言う


「お久しぶりです。ベル様」

「ん?」

「私のことを覚えてらっしゃいますか?」

「……………………誰だっけ?」

「ベル様が幼少の頃にあなたの家で執事をさせていただいた者です」

「そーいやいたかもなー」


ベルは曖昧に言った
どこまでも興味がなさそうだ


「オルゲルトです」

「んーなのいちいち覚えてねーって
もしかして顔見知りってことで命乞いか?
ムリだぜ。オレ執事とかいらねーし」

「滅相もございません
私はいずれ王となる王子にしか仕えませんので」

「……?それってオレじゃん」


首を傾げるベル
だが、執事の後ろから別の声がした


「そりゃ違うだろーよ、ベル」

「?…ありっ」

「あ。え?」

「王になんのはお前が殺したはずの双子の兄貴






ジル様だ
























桜はフフッと笑ってその様子を見ていた
ベルとフランの前に現れた、ゴツイ体つきの執事と椅子に座ったベルとそっくりの男


『あら。ついに運命の御対面ね。ベルフェゴールとラジエル』

「せやな。こうして見るとホンマに似とるな」

「うーん。感動的だねぇ」

「……本当にそう思ってるんですか、白蘭様」


跡部が呆れたように白蘭を見る
そして息を吐いてマシュマロと紅茶を差し出した
桜の前にも透き通った橙色のはいったカップを置く


「お、ありがとう景吾くん」

『おいしいわね……』


桜の表情が綻ぶのを見て跡部もフッと笑った




→Un afterword
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