夜空を纏う四ノ姫3

□ヴァリアーのボス
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「……さっきの言葉は撤回してやる。てめぇの覚悟もな」

「……それは光栄だ
ボンゴレが誇る暗殺部隊の作戦隊長にそう言ってもらえるなんてね」


そう言って微笑んだ幸村は、次の瞬間ハッとして飛びずさった
その表情にスクアーロが驚くが


「んだありゃあ?」


森の上空を3つの炎が飛んでいるのが見えた
スクアーロの問いに無線が入る


《3機の巨大匣兵器と思われます!城に向かう模様です!!》

「(ベルとフランが殺られたのか………!)」

「(……あれはあの男の…………)」


幸村ははぁ、と溜息をついた
周りにいる部下に声をかける


「お前達はここであの男の足止めをしておいて」

「は。ですが幸村殿はどちらへ」

「…………呼び出しだ。頼んだよ」

「な゙っ……貴様ァァ!!待てぇ゙ぇ゙ぇ゙!!」


スクアーロが何かを叫んでいるのを背中で聞き、
幸村は霧鷹を匣に戻してその場を駆けだした




















―――――
―――

3機の巨雨象(エレファンテ・フォルテ・ピオッジャ)でヴァリアーが占拠した城を破壊した
6弔花の一人、ラジエルとその執事オルゲルトは見た

壊れた城には椅子に座ったザンザスがいたのだ


「とてつもなく目つき悪ぃー。まさに不良軍団の大将だな」


死ぬ気の炎を噴出して飛ぶ椅子に座りザンザスを見下すジルは歯をむき出して笑う


「だけど実力はたいしたことねーんだってな
中学生に負けたんだろ?しーしっし!!
14歳の沢田綱吉に凍らされたんだぜ!激弱ってことじゃん!!
桜もそりゃあ呆れただろうな」


ザンザスはジルの言葉に黙って目を閉じた
まるで雑音とでも言うように

しかし心中はある一点において憤怒していた
それに気づかずにジルはなおも言葉を続ける


「あれれ?どーした?図星で言葉も出なくなったか?しししっ」


しかしザンザスは座ったままあくびをした
その態度にラジエルはイラつく


「おい。いつまで寝そべってるつもりだ?
イスに座ったまま戦っていいのは王子のジル様だけだぜ
てんめぇ、立場わかってんだろーな」


しかしザンザスは目を瞑ったまま動かない
ただ、右手を上げ人差し指を立てまるで来いとでも言うように動かした


「カッチーン」

「ジル様。あなたの手を汚すまでもありません
ここは私にお任せを。巨雨象!!」


オルゲルトの指輪から雨属性の死ぬ気の炎が象に注入される
城を潰した象が宙に浮かび、ザンザスに向かった


「喰らうがよい






大地の鉄槌(マルテッロ・デッラ・テラ)






象が突っ込み、瓦礫が舞う
しかし当のザンザスは無傷だった
触れることなく巨大象を止めたのだ。しかも、


「(石化…!?いやこれは…!!)」


ザンザスの影を、何かがうろつく


「まあゆっくりしてけや」


掌が俄かに発光し、光球が凄まじい音を放つ


「沢田綱吉と桜の名をほざいた以上、てめーらはここで――







かっ消す!!!








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