夜空を纏う四ノ姫3

□ボンゴレの力
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ツナはラルをベッドに寝かせ、心配そうに彼女を見た
衰弱した様子のラルは目を覚ますことなく昏々と眠り続けている
そして同じく目を開かない山本、了平にも視線を向けた

謙也はそんなツナの肩を叩いて安心させるようにニッと笑った


「そないな顔せんといてや」

「け、謙也さん……」

「大丈夫やって
俺のスターがしっかり治したったから」


謙也が開匣したのは晴モモンガだ
晴モモンガは飛膜の部分から晴の光を照射し傷を癒すのだ
そのおかげで全員怪我はだいぶよくなった

するとリボーンが声を発した


「たった今、ジャンニーニからイタリアの主力戦の情報が入ったぞ
ザンザスが敵の大将を倒したらしい」

「マジっスか!?」


喜ぶツナたちだが、入江は腹を押さえて口をはさんだ
胃が痛むのか表情は歪んでいる


「せっかくのニュースに水をさすようだが、喜ぶのはまだ早いな」

「ああ。大将を討っても兵力に圧倒的な差がある」

「ミルフィオーレが新しい大将をたて長期戦になれば…」

「その心配もねーぞ。敵は撤退をしはじめたそーだ」

「おおっ」

「ってことは!」


赤也がよっしゃ、とガッツポーズをした
入江が晴れやかな笑顔を浮かべる


「勝利じゃないか!」

「まーな」

「これならいける!!
ボンゴレの戦力は想像以上だ!!
主力部隊を追い込むなんて!」

「急に興奮しやがって…」

「これが興奮せずにいられるかって!すっげーことなんだぜ!」

「いってぇ!てめぇ何しやがる!」


赤也にバシバシと背中を叩かれて獄寺がキレる
だが全く怯むことなく赤也は笑顔だ
ツナも綻ぶ表情を抑えきれなかった


「(すごい…!!さすがヴァリアーだ)」


ザンザスもさることながら計り知れない実力を持った暗殺集団
敵であれば震え上がるが味方だとこれ以上ない程頼もしい
リング戦の時とは大違いだった

それを思いツナはハッとした


「(ザンザスは……桜が裏切ったこと……どう思ってるのかな)」


桜の為にリング争奪戦を引き起こし、10代目になろうとしたザンザス
果てしない覚悟と決意、彼女への情愛
それを思って唇を引き結んだ










ツナは先程の思考を振り払うように頭を振ると、入江を見た


「それで、イタリアの作戦は成功したけど、オレ達はこれからどうすれば」

「ああそれなんだけどちょっと待ってくれ。そろそろ時間なんだ」 

「ぁあ゙!!何の時間だよ!!」

「まぁまぁ、落ち着いて獄寺くん」


ツナの問いに答えた入江に獄寺がそう突っかかる
それをなだめた不二に何か思うところがあったのか、獄寺は黙った
すると、あの軽快な音が聞こえた





ボフン






「極限にここはどこだー!!?」






「あれは…」

「10年前の…お兄さん!!」




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