夜空を纏う四ノ姫3

□ボンゴレの力
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10年バズーカで了平が入れ替わったのだ
了平はツナたちを見ると急いでベッドから這い出て来た


「ぉお?生きていたか沢田ぁ!!
お前達も京子も行方不明で、心配しとったんだぞぉ!!!」

「しぃっ!!」


あまりの煩さに獄寺が了平に黙るように示す
だが了平には理解されることはなかった


「おおタコヘッド!お前もいたのか!!」


ベッドに怪我人がいるというのに大きな声の了平
獄寺はそれにキレて拳を握りしめた


「後で説明してやっから静かにしてろ芝生頭!!」

「なんだとタコヘッド!!」

「なんか……凄いっスね……」

「ある意味……あの2人を思い出すよね」

「………ああ。そうだな……」

「まぁまぁ。落ち着きや2人とも。怪我人がおるんやで?」


不二が懐かしそうに目を細め、手塚が静かに頷いた
謙也が睨み合う2人の間に入る

するとその騒音で意識を失っていた山本が起き上った


「何だかにぎやかなのな」

「や、山本!!目が覚めたの?大丈夫?」

「おお。なんとかな」


山本は朗らかに笑った
獄寺が呆れたように言う


「ったく、心配掛けやがって……」

「ハハハ。おっ、笹川先輩も来たんスね」

「おお。よくわからんが…」

「だから後で説明してやるっつってんだろ!!」

「後じゃわからん!今しろ!!」

「バカに今言ってもわかるわけねーだろぉ!!」

「バカとはなんだバカとは!!」

「まーまー二人とも落ちついて」


山本は二人を宥め、ツナも苦笑した
だが周りを見回し、嬉しそうな顔をした


「(みんなが無事で、本当に良かった)」


リボーンもニッと笑った
すると手塚が静かに口を開く


「晴の守護者、笹川了平が来たということは、
これで夜を除いたボンゴレリングが揃ったということだな」

「……!(夜………)」

「………そうだ。そのために、彼もここへ呼んだ
白蘭サンを倒すには守護者とボンゴレリングを全て揃え、
それぞれに合った匣兵器を使いこなせるようになる必要があった
本当は桜にもいてもらいたかったが、こうなった以上仕方がない」

「……………」


彼女はボンゴレを裏切り、ミルフィオーレにいる
その彼女を説得することは出来ないし、10年前から呼んでも意味はない
だが、その事実を突きつけられ、守護者が全員集まった状況ではそれが余計に堪えた

そんなツナの様子に気づいた不二は眉を寄せ、そしてこう口にした


「だけど沢田くん。君はまだ自分の匣を持っていないね」

「!!」


不二の言葉にツナは顔を上げる
全員がツナと入江たちを見ていた
息を詰めるツナに背を向け、入江は白くて丸い装置に歩み寄った
目の前の面に両手をつく。そこから光が生じた


「今こそ、託そう」


装置の中心が開き、中からオレンジ色の光が溢れた


「この時代のボンゴレのボスから君へと預かった力を、


心して受けとってくれ」


そして、オレンジ色の炎のような光が飛び出し、ツナの掌に収まった







「これは……ボンゴレの…匣………!!」








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