夜空を纏う四ノ姫3

□次なる道
3ページ/4ページ




すると、その空気を壊すようにリボーンが唐突に言った


「そーいやツナ。正一たちにまだ大事なこと聞いてねーぞ」

「え?」







「まず入江正一。お前オレ達のファミリーになるのか?」







「へ?ダメかい?」







キョトンとする入江
謙也が思わず噴き出した
獄寺はワナワナと震えている


「あっさり…っつーかヌケヌケとー!!」

「ウチも行くところがない。雇ってくれボンゴレ」

「…スパナ!!」

「どうするんだ?ツナ」

「こういう時いつもオレだな!」

「ボスのおまえが決めるに決まってんだろ」


リボーンにばっさりと言われ、ツナは考え込んだ
唸るツナに獄寺がコソッと耳打ちをする
その表情はどことなく悪かった


「心のままに言ってやってください!!
イヤならイヤと10代目!!」

「えっ…あ…だからオレマフィアとかのつもりないし…
それに…正直入江さんにはいろいろされたから…迷うんだよな…」


考えるツナを見て緊張する入江
赤也はその顔を見て盛大に笑い手塚に小言をくらっていた


「でもすごく大変なことをしてきてくれたと思うんだ
だからこれからも力を貸してください!スパナも頼むよ」

「こちらこそヨロシク!!」


ツナの言葉に嬉しそうにツナの手を握った入江
手塚はフッと笑った


「よかったな、入江」

「ああ!!!」

「それで、お前たちはどーすんだ?」


リボーンの目が手塚、不二、赤也、謙也に向けられる
その目は世界最強のヒットマンにふさわしく探るように細められていた
入江が慌てて口をはさむ


「あ…彼らは本当に僕たちの味方なんだ!
危険を冒して本当に色々なことを……」

「まって、入江くん」

「不二くん…………」


入江の言葉を遮った不二は、手塚を横目で見た
頷く手塚に頷き返し、リボーンを見ろして膝を折った


「君が僕たちのことを信用できないのは当たり前だと思う
だから、僕たちのことを少し、話したい」

「それが終わってから、俺らを仲間と認めるか決めてや」

「もっとも、本当にマフィアになるかはわからないっスけどね」


そう言った彼らに、リボーンはジッと彼らを見た
ツナが生唾をのみ、この空気に鳥肌を立てた
が、リボーンは続いてニッと笑った


「いいぞ」

「ありがとう」


不二は柔和に笑い、手塚を見た
手塚は首を縦に振り、ツナたちを見回した


「お前たちも聞いてほしい
これは俺達と、そして、桜に関わることだ」


それを聞くな否や、雲雀が座り込んだ
その目は手塚を射抜いている
ツナはその雲雀の行動に目を丸くした


「(ヒバリさん……桜のことになると本当に素直だよな………)」


獄寺や山本も呆気にとられた
その視線が気に食わないのか、雲雀の目がさらに鋭くなる


「何してるんだい。さっさと話しなよ」

「…………ああ」


手塚は目を伏せた
その手に力を籠っていることに、不二だけが気づく
手塚は眼鏡を押し上げ、口を開いた


「まずは名前だな。俺は手塚国光だ」

「不二周助です」

「忍足謙也や」

「そんでもって、俺が切原赤也だ!」







「俺達は、この時代の桜を助けるために






10年前からこの世界に来たんだ」








→Un afterword
次へ
前へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ