夜空を纏う四ノ姫3

□仲間の元へ
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ツナと手塚たちのやりとりを見ていた入江は表情を綻ばせ声を張った


「さあ、そうと決まれば僕にはやらなきゃならないことが山程ある!
君達を安全に10年前に帰せるようこの装置のチェックをしないと」

「正一。技術的な事なら手伝う」

「俺も出来ることは手伝おう」

「ありがとうスパナ、手塚君。さあ忙しくなるぞ」


気合を入れる入江
ツナはおずおずと声をかけた


「あの…オレたちも何か手伝いましょうか」

「一刻も早くアジトの仲間の元に帰りたいだろ?綱吉君」

「そーだ!!京子はぁ!!京子はどこだ京子ー!!」

「ここにはいねーよ。けど無事だから安心しろ」

「本当か!!どこだ、どこにいる!!」


獄寺に詰め寄る了平に山本が近づく


「俺たちのアジトにいるんスよ」

「アジト…?」

「そうか。ちゃんと説明しなくちゃ」

「やめときましょう10代目」


了平を見てそう呟いたツナの耳元で囁くように言う獄寺


「芝生頭に理解させるには時間がかかります」

「う……うん」

「……この分じゃ、俺たちの話も理解できてないっスね」

「せやなぁ」


赤也と謙也が呆れ交じりに言う
獄寺の指摘は間違いではないだろう


「お兄さん。あとで全部ちゃんと説明しますから」


ツナがそう言えば了平は腕を組んで黙った
するとランボとイーピンが空腹を訴えだした


「帰りましょう、10代目」

「行こうぜツナ」

「今、君がやるべきことは、
10年前のあのリング争奪戦の直後に帰って
ボンゴレリングの真の力を引き出し、またここに戻ってくることだ
白蘭サンを倒すために。そのための一時帰宅だ
全員がしっかりと覚悟を決めてきてくれ」























「ミルフィオーレの残党はこっちで何とかしておく。安心してくれ」





地上への出口であるドアから顔を少しだけ出し、ツナは周りを見回した


「ミルフィオーレの連中…本当に襲ってこないかな?」

「ボンゴレのアジトからもモニターしてるが、
並盛に敵のカゲもリングの炎の反応も全くなくなっちまってる。大丈夫だ」

「よしっ」


ビルの隙間から大通りに出る
いつもと変わらない光景が広がっていた


「さ…帰りましょう10代目」

「……うん」








帰りはみんな無言で…足取りは重かった…………


キズの痛みや疲れもあったけど


みんなアジトに帰りづらい気持ちがあったんだと思う…



作戦は成功とは言えなくて…


目的だった入江正一には辿り着くことはできたけど


桜のことは何も解決しなかったし…


一旦過去に帰ることはできるけど


またここに戻ってこなきゃいけない…


しかもその後には、また戦いが待っている…


アジトで待ってるみんなに、どんな顔をすればいいんだろう…







…でも実際はそんな心配いらなかったんだ…


 ただ…姿を見るだけで―――――


ただ…笑顔を見るだけで―――


オレ達の胸に込み上げてきたのは―――――








また会えた嬉しさだけだったんだ!!









→Un afterword
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