夜空を纏う四ノ姫3

□仲間の元へ
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「え………えぇっ!!!






ツナは、その予期していなかった言葉に絶叫した
しかも入江も、目を丸くしている


「て、手塚君………そ、そうだったの!!」

「ああ」

「って、テメーも知らなかったのかよ!!」


獄寺がツッコめば、入江は真っ青な顔でコクコクと首を縦に振った
驚きで目が点である


「だ、だって……白蘭サンから桜の昔馴染みで…
彼女の部下だからって説明を受けただけだったし」

「それで、よくこの計画を手伝わせたな」

「…………知ってたんだ。手塚君たちは
それに桜を助けたいと思っていたその目に嘘はないと思ったから」

「僕たちも、入江くんに信じてもらえるかどうか不安だったよ
でも、その気持ちに偽りはない」


不二が真剣な目をして言う
するとリボーンが手塚を見た


「じゃあお前ら、今何歳なんだ?」

「って、今それ聞くのかよ!!」

「考えてもみろ、ツナ。切原や不二は中学生か高校生に見える
ってことは、10年前の世界でお前たちと同じぐらいの年齢の奴が、
いきなりミルフィオーレなんていうマフィアの中枢に入り込んだんだぞ?」

「……それって、褒められてるのかな」

「……違うと思うっス」


不二と赤也がこそこそと声を落とした
謙也がおずおずと口をはさむ


「あんな、周助は中3で赤也は中2や」

「俺たちとおんなじぐらい!!」

「あ、うん。それでな……
実を言うと、俺も国光も周助と同じなんやけど……」


すると、全員の動きが固まった
全員の目は手塚に向けられ、手塚は居心地悪そうに腕を組んだ


「………何だ」

「……お前、老けてんな」

「…んな!!リボーン!!」


直球に言ったリボーンにツナが焦る
手塚はいつもと変わらないような表情を何とか作ろうとしていたが
その後ろで謙也と赤也が盛大に噴き出していた


「っていうか、まだ中学生だったの!!」

「そうだぜ。まぁ国光さんは老け顔だからわかんないのも仕方ねぇけど」

「……赤也」

「スンマセン」


手塚の低い声に本能的に赤也は頭を下げた
手塚は息を吐いてメガネを押し上げるといまだ唖然とするツナを見た


「俺達は、10年前の世界で桜に助けられた
その桜が10年後の世界で人を殺している事
仲間を裏切り、世界を支配しようとしている事を、ある時偶然知った」

「俺らは桜に助けられた
せやから、桜のために何かをしたいと思ってきたんや
その桜がそれを望むんなら、助けてもいいと思った
せやけどな……」

「やっぱり…こんなことするの、桜じゃないんだ」


不二が、ギュッと拳を握りしめて言った
その表情に、ツナはハッとした


「だから決めたんだ
例えどんなに嫌われても、殺されそうになっても
桜にこれ以上人を殺させない。裏切らせないって」

「で、俺らは10年前の世界から、この世界にタイムトラベルしたってわけだ」


リボーンは考えるように顎に手を当てて引く


「まだわかんねーことがあるぞ
まず、どうやってこの時代に来たんだ?」

「あ、そうだよね
入江さんが知らないんなら、10年バズーカは使ってないんだろうし…
あ、10年バズーカっていうのは」

「知ってるよ。ボヴィーノファミリーのランボが持ってた道具
10年後の自分と5分間だけ入れ替わることが出来るものだ」

「あ、はい」

「実はね、僕たち、10年前のヴァリアーとのリング争奪戦、見てたんだ」

「「「!!!」」」

「リ、リング争奪戦を……」

「見てた……?」


新たな事実に唖然とするツナ達
赤也が手塚を見る


「たしか、雷の守護者の戦いは国光さんが見たんスよね」

「……ああ」

「僕は雨の守護者を見てたね」

「お、俺っスか?」

「俺は嵐の守護者な〜」

「俺は晴や」

「………ケッ」

「なんと…………」

「話が脱線したけど、あの頃から桜を救いたいと思っててね
色々動いてたんだ」

「ただ、どうやって来たかは今は言えんねん。すまんけどな」

「はぁ!?なんでだよ!!」

「それを話すにはまだ時期じゃないねん」


初めて、謙也の目が鋭くなった
赤也はその変わり様に舌を巻き、獄寺は口を噤んだ


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