頂を目指す二ノ姫X

□オーダー
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ついに四天宝寺戦
桜はスミレと頷き合い腕を組んで彼らを見回した

桜の願い通り彼等のもとに来る前に手塚は桜を降ろした
だが心配なのか彼女の傍から離れなかったが、顔色も戻り手塚は安堵の息をついた


『さて、次は強豪四天宝寺よ!』

「どいつもこいつも猛者ばかり
スキを見せたらどんどん入り込まれちまうよ!」

『でも、ここまで勝ち抜いてきた貴方たちも誰もが認める猛者よ
自信を持っていつものプレーをすれば必ず結果はついて来る』


凛々しい彼らを前に、桜は柔らかく微笑んだ
さらに、とスミレに手を向ける


『勝ったらスミレちゃんからご褒美よ』

「ああ。勝ったら焼肉じゃ!」

「やったぜ越前。焼肉だってよ!!」

「お――ッデリィーシャス!!」


焼肉の言葉に桃城は飛び上がり菊丸も諸手を挙げた
クスッと笑った桜が表情を引き締める


『それじゃあ、オーダーを発表するわ』















その頃、四天宝寺もまた青学戦の前に集まっていた
不動峰戦が終わった後、退部届を出した千歳はそこにはいない


「次はいよいよ準決勝。青学とやーっ!!」


渡辺がかなりの声量で叫ぶように言う


「部長の手塚を中心としてバランスのとれた良いチームや!
しかも彼らの原動力は誰が見ても可愛いマネージャーさんときた
しかも“見抜く者”としても名高いし洞察力も並外れとる
あなどったら負けるでぇーっ!!
せやけどダブルスが極端に穴や!
その上ゴールデンペアも負傷、さらに穴や!!
その穴だらけのダブルスを2つ取れば自分ら負けへんでぇ〜〜っ!!
おお〜〜っ!!」

「オサムちゃん声デカイわ…」


うんざりしたように謙也がそう言った
するとニッと渡辺が笑う


「そーかぁ。勝ったらお前達に流しソーメンおごったるわぁ!!」

「…」

「…」

「…」

ビミョー


あまりテンションが上がらないご褒美につい謙也から本音が漏れる
しかし渡辺は気にせず元気に言った


「んじゃオーダーを発表すっぞ!!ハッすっぞ!!」










『シングルス3 不二っ
多分白石が来ると思うけど先手必勝で!頑張って!』

「うん!」



「シングルス3 白石っ
ハッハ――ッ部長。まっ一丁頼むわぁ!」

「不二辺りやな」






『ダブルス2 海堂・桃城
暴れてらっしゃい!』

「「うっしゃぁ――っ!!」



「ダブルス2 小春ぅ&一氏ぃ
笑かして来―い!!」

「おっしゃぁ――っ!!」






『シングルス2 河村っ
おそらく石田銀がくるわ
彼と打ちあえるのは貴方だけよ』

「まかせときなってなモンキ――ッ!!」



「シングルス2 銀さぁーん
多分河村ってパワー自慢が来るでぇ!!」

「…………」






『そしてダブルス1なんだけど………手塚っ!!』

「ああ!」


桜に呼ばれたのはなんと手塚
驚く周囲は手塚と組むパートナーが気になっていた
桜はまだ呼ばれていないレギュラーを見回す


「ち、ちょっとタンマ…」

「ハハ…」

「オレ駄目ッスよ、ダブルス」

「…へ?」


桜の目が止まったのは、長身の彼だった






『ダブルス1 手塚・乾!
これは本当に大きな賭けだけど一縷の望み、貴方たちに託すわ!』

「頼むぞ乾」

「フフフ…」



「ダブルス1 謙也ぁ&天才財前くんな!
謙也ぁ―――っ足引っ張るんやないで〜〜っ!」

「引っ張ってもええですわぁ」

「アホ抜かせ!!」






『シングルス1 越前!
おそらく1年生対決になるわ
悪いとは思うけど負かしてきなさい!』

「ういーっス」



「シングルス1 金太郎!お前の「待ってろやコシマエーッ!!」








―――準決勝(セミファイナル)
青学(東京)VS四天宝寺(大阪)


かつてない激戦が秒読みを開始した



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