夜空を纏う四ノ姫2

□10年前
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10年前の並盛ふれあい商店街

多くの人で賑わっている道をツナたちは呆然と歩いていた


「ここは…」

「本当に……戻って来たの……」

「…成功っちゅーことかいな」

「!!」


突然の背後からの声にツナはバッと彼を振り向いた
声の主である謙也はピースサインを作りながらそこにいた


「謙也さん!!」

「本当に、来やがった」

「……そら来るっちゅーたやろ?獄寺」


笑う謙也だが、どこか疲れたような顔をしていた
その謙也をリボーンが見上げる
リボーンの視線に気づいて謙也が首を傾げた


「どないしたん?」

「…………いや」


何か言いたげなリボーンだが、謙也から視線を外した
内心冷や汗をかいていた謙也は、助かったとばかりに息を吐く

すると雲雀が鼻を鳴らして歩き出してしまった


「あっヒバリさん!」

「まったく、仕方のない奴だ」


腕を組んで了平が嘆息する
すると京子もキョロキョロと周りを見回すと声を上げた


「あれ?クロームちゃんは?」

「はひ!いつの間にかいなくなっちゃいました」

「あ〜」

「まぁあの2人はしゃあないな」


謙也は苦笑してツナの肩を叩く

すると獄寺が「あっ」と声を上げて指差した


「あれを見てください」

「え?」


獄寺の指の先、そこには看板があった
ツナは目を凝らしてその文字を追う


「<並盛地下ショッピングモール駐車場入口、建設予定地>?あっそれって」

「未来でメローネ基地があった場所やな」

「まだ出来てないんスよ」

「……って、事は……






ここは間違いなく、10年前の並盛だ!!!






10年前だと確認できたツナたちは自分たちの家に向かって歩き出した

謙也はなぜかランボとイーピンを抱えていたが、2人とも嬉しいのかはしゃいでいる
ツナも数か月ぶりの我が家に緊張していた

最初は山本の家だ。竹寿司の看板が懐かしい


「それじゃあみんな。またな」

「う、うん」


心配そうなツナに、山本は笑みを向けた
10年後の世界では死んでしまっている父親との再会を心配しているツナ
その気持ちは痛いほど分かっている


「大丈夫だってツナ。んじゃーな」


山本はそう言って家へと入って行った
その後、ハルと京子、了平とも別れた

ツナの家の前に着き、謙也はランボとイーピンを地面に下ろした


「じゃあ、10代目。自分はここで」

「俺もや。じゃあな、沢田」

「あ、はい。獄寺くんも気を付けて。謙也さんも」

「はい」

「おん」


手を振り、謙也が獄寺と反対の方向に歩いていく
ランボとイーピンは我先にと家に入って行った
ツナは家を見上げて感慨深そうに呟いた





「帰って来たんだ……本当に…」









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