頂を目指す二ノ姫X
□聖書VS天才
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「《ゲーム不二 6−5!!》」
このまま不二が逃げ切れるか、それとも白石が攻略するか
試合の熱は最高潮に達していた
着々とポイントを重ねる不二だったが、
「あっ!!」
『(………きた…)』
ボールがネットの端に当たり、打ちあがった
落ちたのは、白石のコート
「《0−40!マッチポイント不二!!》」
今度は逆に不二が白石を追いつめた
だがそれは表面上だけのことだ
『………やられた』
「捕らえたで白石…お前の勝ちやわ」
不二の百腕巨人の門番を白石が返した
そのボールはネットに当たり、今度は完璧にネットを超えた
「《15−40!!》」
「とうとう不二のファイナルカウンター
『百腕巨人の門番』を返しちまった!?」
「な、なんてヤローだ!」
河村と桃城が叫ぶのも無理はない
これが、四天宝寺の部長の底力だ
白石は不敵に微笑んだ
「さあ反撃や!」
「(何て男だ…この状況下でここまで冷静な選手は見た事がない)」
「んーっエクスタシー!!」
またもやネットに当たり、不二の方にボールが落ちる
さらにまたもやネットに当たりポイントになる
『……狙って打ってるわね』
「コードボールをか」
『ええ』
またもやネットに当たる
それを不二が何とか返した
それも百腕巨人の門番だが、白石も負けない
「また行ったぁ―――――っ!!」
「もう完全に攻略している!!!」
コードボールに何とか反応し、不二はボールを打ち上げた
謙也はそれを見て歓喜の声で叫んだ
「よしアウトや。勝ったで白石ぃーっ!!」
「!」
『………あれは』
急激に落ちてくるボールを見て桜は気づいた
それと同時に白石も目を見開いた
「(しまった!?白………)」
だが、そのボールが落ちたのはコートのラインの外だった
「《アウト!!ゲームセット…ウォンバイ白石7−6!!》」
白石は呆然と、審判の声を聞いていた
だが静かな表情で座り込んでいた不二の前に手を差し出す
「強いな…お前」
「キミもね」
「また負けたよ」
「次も勝つで」
白石と不二はお互いにキョトンとした
「今、何か言ったかい?」
「いや、自分こそ……」
2人は歓声の中、首を傾げていた
→atogaki