夜空を纏う四ノ姫2

□4つ目の試練「指導力」
2ページ/6ページ




山本は家に帰るなり驚いた
店内で椅子に座り、自分の父親に注文する彼
先ほどの試練で正体が発覚した、針山姫子の本当の姿
独立暗殺部隊ヴァリアーの嵐の守護者


「お、おい」

「ん?」


頭にティアラがトレードマークのベルフェゴール
そしてその隣にはマーモンがいた


「お前ら、まだイタリアに帰ってなかったのかよ」

「ししし。だってこれが目的でついてきたんだもん」

「ま、仕事だけじゃやってられないからね」

「だからって、俺を巻き込まれても困るんだが」


軍艦巻きを頬張るマーモンの隣には、何故か学ランを羽織った日吉もいた
苦い顔をする日吉に山本は首を傾げる


「何で日吉までいるんだ?」

「……見回り中に寿司屋の場所を聞かれてな。ここが一番近かったんだ」

「ま、中々うまいぜ。まずかったらコイツをぶっ殺すところだったし」

「………良かったな」


迷惑そうな日吉に山本も乾いた笑みを浮かべるしかなかった
ふと、反対側に目を向けると、そこにはカンフー服にサングラス
帽子の上にはサルと言う不思議な出で立ちの男がいた


「ん?」


山本はその客に目を瞬かせた
























翌日


「ツーくん。手紙が届いてるわよ」

「ん?はーい」


起きたばかりのツナはキッチンに降りてきて、寝ぼけ眼で奈々に聞いた


「母さん。手紙ってどこ?」

「テーブルの上に置いといたわよ」

「ん?」


沢田綱吉様、と書かれた白い封筒
住所は書いていない。裏返してみれば宛名もない
だが、封をされているそれにはおしゃぶりのマークがあった


「こ、これは!!」






「「「アルコバレーノの試練か!!!」」」






獄寺、山本、了平がいつの間に入って来たのか声を揃えて手紙を覗き込んだ
ツナは呆気にとられて3人を見た


「さ、3人ともどーしてここに……」

「試練のことが気になってな」

「今度こそ10代目のお手伝いさせてもらいます!!」

「極限に試練クリアだ!!」


元気な三人にランボも加わる
昨日の約束通り、ランボも試練を受ける気満々である
ツナははぁ、と元気なく言う


「ああ〜。朝からこんなに集まって……」




プルルルルルルルルルル




すると、電話が鳴った
奈々は振り返ってツナに言う


「ツー君!電話に出て〜!」

「えっ!」

「ええ〜!!ツ〜ナ〜。早くチレン〜!!!」

「ちょっと待てって」

「コラアホ牛!10代目の邪魔をするんじゃねぇ!!」


駄々を捏ねるランボに獄寺が怒鳴る
ツナは苦笑して受話器をとった
2階からリボーンも傍にやって来る


「もしもし。沢田ですけど」


前回のマーモンの試練の事もある
ツナは恐る恐るといった様に受話器に向かって言った

そして、そこから聞こえてきた声に違う意味で心臓が跳ね上がった






《もしもし?ツナ?》






「さ、桜!!」


ツナの素っ頓狂な声と電話の相手に、獄寺達も集まって来た
受話器の向こうの桜はツナの声にくすっと笑った



.
次へ
前へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ