夜空を纏う四ノ姫2

□5つ目の試練「包容力」
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その後、4人は公園で休憩することにした
途中現れたクロームが、京子とハルと飲み物を買う為に席を立った

その間に謎の男たちが現れ匣兵器で攻撃を仕掛けてきた
試練ではない想定外の事態に獄寺たちも参戦
ツナたちはアリアに指一本触れさせず、その男たちを倒した
彼らはまたもやヴェルデの差し金のようである

京子たちが帰ってくると、突然アリアが帰ると言い出した
彼女はツナを呼び、見下ろして厳かに言った


「包容力の試練はクリアよ」

「包容力?」

「どんなワガママにも付き合ってくれて、
敵であるかもしれない私まで守ってくれた
その心のおおらかさが包容力。さすがはすべてを包み込む大空ね」

「俺、そんなおおげさなことは……」

「その心を、いつまでも忘れないでね」


首から下がっていたおしゃぶりからオレンジ色の光が照射された
ボンゴレリングはオレンジ色の光り輝く
それを見て、ツナが表情を綻ばせた


「……それじゃあ、またね、綱吉くん」

「あ、ま、待ってください」


歩き出そうとしたアリアをツナが慌てて呼び止めた
不思議そうなアリアにツナはあの、とどもりながら口を開く


「えっと、夜について……なんですけど…」

「………夜」

「あ、はい。あの…詳しくは言えないんですけど…
夜のアルコバレーノの印について、
大空のアルコバレーノに聞くといいって言われて。それで………」


そこまで聞いたアリアは、フッと目元を和らげた
腕を組んで、ツナの目をじっと見つめた























公園を出て来たアリアを待っていたリボーンが声をかけた


「オレたちが背負うべきアルコバレーノの呪いを、
受け継がせることになっちまって、すまねーな」

「いいの。これは母さんから受け継いだ、大事な使命だから」


慈しむようなアリアの目に、リボーンは口を噤んだ
脳裏には、昔の光景が甦っていた















「本当にいいのか、ルーチェ
アンタには、一族に伝わる大事な役目があるんだろ」

「ええ。でも、これが私の運命だから。避けて通ることは出来ないの」

「………運命…か」


腕を組んで壁に寄りかかる青年、リボーン
寝椅子に腰掛ける女性、ルーチェ
リボーンは静かにそう言う


「俺は運命なんてもんは信じない
だが、アンタたちの言うことだけは、信じてもいい」

「ありがとう。でも、本当は運命という言葉を、彼女の前では使いたくないの
運命に、とても苦しめられている人だから」


ルーチェはそう顔を俯かせた
白い手が、彼女の手を掴む
その手とは反対の手でルーチェは大きく膨らんでいる自分のお腹を撫でた


「それに、私はいいの
だけど、この子をその運命に巻き込むことになるのが申し訳なくて…」

「降りてもいいんだぜ」

「ええ」


しかしルーチェは首を振った
その目はどこまでも見透かすように澄んでいた


「星が動くわ。私たちの運命と、貴方の運命もね」





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