頂を目指す二ノ姫X

□リョーマはいずこ
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「さっき桜に連絡が入ってな
越前は……軽井沢にいるそうじゃ!」

「か、軽井沢―――っ!?」

「オチビの奴何やってんだそんなトコで!?」


桃城と菊丸が声を荒げた
桜は髪を掻き上げ息を吐いた


『電車のトラブルで帰って来られないそうなの』

「越前抜きで決勝を戦わなければ…」

「(バカヤロウ。お前がいなくて…どうすんだよ越前…)
オ、俺、捜して来ますっ!!」

『待って桃!!』

「!桜先輩!!」


制止の声を上げた桜に桃城が眉根を寄せる
だが桜はわずかに上を見上げて言った


『やっぱりリョーマ抜きの決勝は考えられないでしょ?
だからリョーマを連れ戻すのに、強力な助っ人を頼んでおいたの』

「強力な助っ人……?」






「待たせたな、桜!」






そこに颯爽と跡部が現れた
跡部は頬を緩めた桜にフッと笑い、胸を張った


「ついて来い桃城!」

『ごめんなさい景吾。お願いします』

「ああ。任せときな」


優しい声音の跡部の後を桃城はついて行った





















―――――
―――

外に出れば凄まじい風が吹き荒れていた
それはなぜかエンジン音を轟かせるヘリコプターから発生した風だった
ヘリを見ていた忍足が2人を出迎えたが、桃城はそれに口をあんぐりと開けた







「ヘ、ヘリ!?」







「景吾さん。準備整いましたっ!!」

「よし。御苦労!」

「突っ込むべきトコっすよね忍足さん?」

「俺も前々から思うとったんや」


合宿の時といい、跡部の経済力というか、お金の使い方が明らかにおかしい
だがあまりにも自然に行うので何も言えなくなってしまうのだ

すると忍足は跡部に困惑した表情を向けた


「ところで何で俺もやねん?」

「ナビゲーターがいるだろ!
折角の桜の頼み事だからな
2人共いいから早く乗れよ!」

「強引やなぁ…」







「行くぜ―――っ!!しっかり掴まっときな!!」







「待ってろよ越前っ!!」







ヘリは青い空に吸い込まれるように上昇した



→atogaki
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