頂を目指す二ノ姫X

□進化
2ページ/4ページ




しかし、ボールは凄まじい速さで赤也と柳の間を一直線に通過して行った


『!!今のは………』


海堂の構え
それは立海の紳士を彷彿とさせた





「柳生先輩の………」





「レーザービームだと」





「いや……マムシのはもっと速い
あのレーザー…ジャイロ回転してやがる」


桜は関東大会後の海堂を思い出した
彼はどうやら柳生とひと悶着あったようで、
直線を打てるようになりたいと乾と桜に言ってきたのだ
2人は相談して同じモーションから曲線と直線を打てるようなメニューを考えた
海堂はひたすらそれを練習した
その成果がこれだった


「凄い!今度はトルネードスネイクまで決まり始めたーっ!!」

「(か、海堂。お前は――――)」


乾もその海堂の姿にハッとした
データを奪われた乾だが、息を吹き返そうとしていた


『直線のレーザーを打てる事で――
曲線の軌道を描くトルネードスネイクも決定率が上がったわ
しかもあのスピードだもの。今の薫はまさに






無敵ね






「《ゲーム青学1−4!!》」





レーザーかスネイクか
どちらが来るか分からない
赤也は海堂を観察し、スネイクだとあたりをつけたが、





ドガガァ





顔面にボールを受け転倒した
海堂は赤也を見下ろし、鋭く言った






「15分経ったぞコラ






………立てよ」









「このワカメ野郎…」









そう、仁王が呟くように言った時だった
桜を悪寒が襲った
それは、目の前の惨状を予見していた






「テメーも赤く染めてやろうか?」






「あ、悪魔だぁ―――――っ!!!!」






赤也の全身が浅黒く変色したように見える
その姿はやはり悪魔のようで
桜はその変化に息を詰まらせた


『(………あの…姿は…………)』

「な、何ですかあの人!?怖すぎじゃないですか」

「…だな」

「彼はどこまで進化するんだ……」


不二は愕然と呟いた
あまりにも信じられない変化だった




.
次へ
前へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ