頂を目指す二ノ姫X
□進化
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しかし、ボールは凄まじい速さで赤也と柳の間を一直線に通過して行った
『!!今のは………』
海堂の構え
それは立海の紳士を彷彿とさせた
「柳生先輩の………」
「レーザービームだと」
「いや……マムシのはもっと速い
あのレーザー…ジャイロ回転してやがる」
桜は関東大会後の海堂を思い出した
彼はどうやら柳生とひと悶着あったようで、
直線を打てるようになりたいと乾と桜に言ってきたのだ
2人は相談して同じモーションから曲線と直線を打てるようなメニューを考えた
海堂はひたすらそれを練習した
その成果がこれだった
「凄い!今度はトルネードスネイクまで決まり始めたーっ!!」
「(か、海堂。お前は――――)」
乾もその海堂の姿にハッとした
データを奪われた乾だが、息を吹き返そうとしていた
『直線のレーザーを打てる事で――
曲線の軌道を描くトルネードスネイクも決定率が上がったわ
しかもあのスピードだもの。今の薫はまさに
無敵ね』
「《ゲーム青学1−4!!》」
レーザーかスネイクか
どちらが来るか分からない
赤也は海堂を観察し、スネイクだとあたりをつけたが、
ドガガァ
顔面にボールを受け転倒した
海堂は赤也を見下ろし、鋭く言った
「15分経ったぞコラ
………立てよ」
「このワカメ野郎…」
そう、仁王が呟くように言った時だった
桜を悪寒が襲った
それは、目の前の惨状を予見していた
「テメーも赤く染めてやろうか?」
「あ、悪魔だぁ―――――っ!!!!」
赤也の全身が浅黒く変色したように見える
その姿はやはり悪魔のようで
桜はその変化に息を詰まらせた
『(………あの…姿は…………)』
「な、何ですかあの人!?怖すぎじゃないですか」
「…だな」
「彼はどこまで進化するんだ……」
不二は愕然と呟いた
あまりにも信じられない変化だった
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