頂を目指す二ノ姫X

□進化
3ページ/4ページ




赤也は凶悪な笑みを張り付けて海堂のサーブから放たれたボールを追った


「残念だなマムシ。テメーは狙ってやらね――っ!!狙うのは………!」






『!!貞治!?』






「乾先輩っ!?」






赤也の放ったボールが乾に激突した
その後も容赦なく乾に向かってボールが放たれる


「汚ぇーぞ切原ぁ!挑発したのは俺だろ。俺を狙え!!」

「ヒャッヒャッヒャッやーだね!








だらぁっ!!








なすすべもなく赤也にいたぶられる乾
桜はきゅっと手を握り合わせ、幸村を見た
涼しい顔をした幸村に心の中で問いかける


『(……本当に………これで良かったの………精市…………)』


海堂は、傷ついていく乾を見て
これまでの彼との記憶を思い出して、そして









「止めろぉぉ―――――っ!!」









海堂の肌が、徐々に赤也の様に浅黒くなっていった
桜はハッとした。彼は自分を見失いそうになっているのだ
赤也に対抗するために、自我を無くし、
本能のままにテニスをしようとしていた
しかし、その海堂の腕を、彼は掴んだ





「止めろ海堂………






データは取れたぞ






その瞬間、海堂はいつもの海堂に戻った
桜はホッと息を吐き出した
乾が、海堂を呼び戻したのだ
しかし、それが乾の限界だった





「さあ………反撃………だ」





乾はそのままコートに倒れた
柳は、そんな彼の姿に感嘆した


「……見事だ、貞治」







「乾先輩っ!乾先輩っ!うおおおおおおおお!!」







海堂の悲痛な叫びに、桜も唇を引き結んだ




→atogaki
次へ
前へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ