頂を目指す二ノ姫X

□進化
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乾の眼鏡を踏みつけた赤也の膝の裏を、柳がラケットで突いた
膝カックンされた赤也は眼鏡から足を外す
柳は眼鏡を拾い乾に差し出した


「すまないな貞治」

「あ゙あっ!!」


柳は赤也の頭をラケットで押さえつけた
それに反抗するそぶりを見せた赤也だが、すかさず柳が膝裏をラケットで突く
柳は赤目になり攻撃的になった赤也を見事に操っていた

眼鏡を壊された乾がベンチに戻って来た
忍足が自分の眼鏡を差し出す


「コレ使いーや乾」

「み、見えん…」

「あーん。テメェのは伊達メガネだろ?」

「せや…忘れとったわ」

『……何でそれを忘れるの…………』


すると乾は自分のバッグを開けた
中には同じ眼鏡が何個も入っていた
桜は思わずそれには口元をひきつらせた


『…………凄い数』

「けったいやな………」


乾のサーブから試合が再開された
しかし不二は不安そうな表情を浮かべた


「しかし海堂のトルネード…乾のウォーターフォール……
どちらの対策もされているなんて…





…データを獲られた乾か」






「ウォーターフォール!!」






乾の超高速サーブだが、柳は動じず涼しい目つきだ


「コースは読めてると言ったが、乾」

「マジで…ドンピシャっスね!!」


赤也がネット前に躍り出てボールを打ち返した
すると、反応しきれない乾に代わって海堂が前に出てボールを捉えた


「海堂っ!!」

「乾先輩っしっかりして下さい!!」


その海堂の返球に、柳は慌てもしない


「空蝉」


「《0−30!》」


『完璧に貞治のデータの上を行ってる……狂わされてるわね……』


桜は難しい顔をして足を組んだ
4ゲーム目も奪われてしまった


「乾は墜ちたぜよ」

「しかし流石だな柳……あの赤目の赤也を巧く操ってるぜ」

「蓮二はダブルスにより本来の真価を発揮する」

「そう………たとえデビルとでも」

「…ただ」


柳生はジッと海堂を見た
彼の懸命にボールに食らいつく姿に声を溢す


「彼、乾君の分まで奮起していますね」








「おおおおおおらぁぁ!!」








「(あの野郎………)」


ライバルのその姿に桃城も笑みを抑えられなかった
しかし、そこに赤也が飛び出してきた


「ったくしつけーよ






ウゼェーんだよテメーは!!」






跳び上がった赤也がスマッシュを決めたかに見えた
事実、誰もがそう思った




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