頂を目指す二ノ姫X

□最終決戦!王子様VS神の子
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「なんだ!?あの技!!?」

「あれは………」

「へぇ、桜も見せたんだね、『乱花』」

『…………』


慎重にボールを捉え、幸村はそれも返球した
だが内心は焦っていた
もしこれを打ったのが桜だったら、返せていたかは分からない


「今の技、桜先輩の?」

「ああ。上から押さえつけるように打つ事によって複雑な回転をかけ球速を上げる
さらに特殊な回転をかけたことによって不規則な軌道を描き、落下点を悟らせない
ラケットで捉えても、ガットに当たった瞬間思いもよらない場所に、
いや、桜が思った場所に返球させる技、『乱花』だ」

「そ、そんな技が!!」

「だが桜もあまり使わない技だ
1年の頃の公式戦で少し使ったぐらいだ。久しぶりに見た」

「でも、それさえも……」


幸村は返してしまった
だが、リョーマも諦めてはいない
大きなモーションに拳を握る


「あの動きは―――っ!?」















「超ウルトラグレートデリシャス大車輪山嵐!!」















「これでもう終わりかい?」















幸村はあの爆風
凄まじいパワーのあの打球でも平然と立っていた
逆にリョーマがコートに膝をついていた
呆然とするリョーマを見下ろす幸村
桜はその冷淡な彼の姿に苦しくなった

彼は、テニスに何の感情も抱いていない様だった


『……精市………』






「やっぱ楽しいなぁ…テニスは」






そのリョーマの声に、桜は顔を上げた
リョーマが本当に楽しげな表情で立ち上がった
その左腕に、オーラが集まっていった






「まだまだだね」






「百錬自得の極み!?」






リョーマは無我の奥の扉を開いていた
だが、幸村にとってさしたる脅威にはならなかった
桜をチラッと見た彼の瞳は冷め切っていた


「手塚国光が開いた無我の奥の扉の1つ『百錬自得の極み』―
無我のパワーを全て左手1本に集め、疲労を最小限に抑え、威力・回転等を倍返し
…ただし他が疎かになる為手塚の様にゾーンを完璧に出来てこその技」




パァァン




リョーマのサーブが放たれ、幸村がラケットを振り抜いた


「倍返しさせなければ………さして脅威ではない






辿り着くのが早過ぎたね…そこに






リョーマが反応できず、次々とサービスエースを決められていった
3ゲームを立て続けにとられてしまった


「どんな技も………誰の技も…何も通用しない」





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