頂を目指す二ノ姫X

□Dear Prince
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仁王は、しかし幸村の様子に気が付いた


「アイツ。ここへ来て盛り返し始めたぜよ…」

「…幸村」

「(ふざけるな!テニスを楽しくだと!
我が立海の3連覇に死角はない!
俺達は王者だ。負ける事は許されない!
――それが王者の掟)」


辛かった日々。苦しかった日々
それでも、耐え抜いてきた
全てはこの時の為
だからこそ、楽しむなんて、
そんな甘ったれたことが通用するわけはない
その思いが幸村を動かした

しかしボールを打ち上げてしまった幸村
そのボールの先にリョーマがいた
両手でラケットを持ち、右に引いたその構え


「な、何だあの構えはっ!?」

「最後はリョーマ君の新技だぁーっ!!」

『……あなたの息子は本当…昔から色々やってくれるわ』

「………お世話かけます。隊長……」






「今こそ青学の柱になれ、越前っ!!」






「ういっス」






左腕を振り抜き、リョーマが渾身の力でボールを打ち返した








「サムライドライブ!!」








ボールはネットから出てポールに引っ掛けられているヒモにぶち当たった
そして球速とパワーによってボールが真っ二つに割れた
あれは遠山との1球勝負の最後に見せた技だった
幸村はそれぞれ向かって来るボールを見据えた


「我が立海の3連覇に…








死角はない!!








割れた両方のボールを打ち返した幸村
真田は思わず身を乗り出して吠えた







「幸村ぁ。勝たんか――っ!!」







ボールは、まるで引き寄せられるかのように一所に向かった
リョーマは、ラケットを振るう












この1点を見極めろ!!













ボールは、その瞬間、どちらも幸村のコートに突き刺さった







「《ゲームセットウォンバイ……









越前リョーマ6−4!!》」










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