夜空を纏う四ノ姫4

□真6弔花
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《しっかし正チャンもつくづくもの好きだよね
まだケツの青いボンゴレ10代目なんかに世界の命運をあずけちゃうなんてさ》


「(世界の命運…?)」


白蘭は薄ら笑いを浮かべて桜の肩を抱き寄せた
そして、冷淡な目を手塚たちに向けたような気がした



《それにしてもさ、君達って何なのかな?ねぇ国光クン》


「………」


《桜の幼馴染だったんでしょ?
それが嘘はつくし、敵になるし……何を考えてるのかな、君は》


「あなたに話すことはありません」


《桜にならあるって?裏切った君が何言ってるんだい?
全く、君たちはどうかしてるよ
ちゃんとついて来たのが2人だけってどういうこと?》


「…!!」

「………2人……?」


目を丸くした手塚と赤也
不二は一旦考え込むように目を伏せると白蘭を見た


「白蘭さん。2人ってどういうこと?」


《そのままの意味だよ
今連絡がとれるのは本部にいた人間も含めて4人
君達3人を抜くおよそ半数と連絡がとれない
彼らも全員桜を裏切った、ということになるのかな
それとも死んじゃったかな?》



その数字の多さに驚いたのはツナたちだけではなかったらしい
不二と赤也もありえない、という表情をしていた



《ま、いいけどね。君たちがその気なら別に構わないよ
僕は桜の為に、僕のできることをするだけだからね》


《………白蘭》



見上げてくる桜の髪を撫で、白蘭は桜から離れた



《さて、そういうわけなんだけど
まぁ本当はこのまま息つく暇なく戦力を投入してボンゴレを消すのは簡単なんだ
でもここまで楽しませてもらったのは確かだし
桜だってそんなあっけない終わりなんて望んでない。もっともっと苦しんでもらわないとさ
それに信頼してた副官に裏切られたとあっちゃリーダーとしてのプライドにかかわっちゃうだろ?
だからそろそろちゃんとやろーと思って》



桜は絶句する入江を見てことさら笑って見せた
今の彼女には白蘭の言葉が全てであり、彼の意思に従うだけだ



《沢田綱吉クン率いるボンゴレファミリーと僕のミルフィオーレファミリーとの



正式な力比べをね》



「(正式な…)」

「(力比べ…?)」


《もちろん73をかけて。時期的にもぴったりなんだ
正チャンやこの古い世界とのお別れ会と、新世界を祝うセレモニーにさ♪》



どこまでも楽しそうに話す白蘭
すると呆然自失だった入江が口を開いた


「待ってください白蘭サン!そう簡単にいくでしょうか!?」


《お。元気だなー正チャン》


「あなたはこの日本のメローネ基地に4人。イタリアに1人
計5人の6弔花と桜を送り込み8つのうち5つのマーレリングを失っている
いくら桜がそっちにいるとしても、あなたは翼をもがれた鳥だ」


《フフッ。そうね。それが本物なら、ね》



桜の声が楽しそうに弾む
それと同時に入江の指にはまっていたマーレリングが軽い音を立てて割れた
入江は驚愕の眼差しでそれを見つめた


「ニセモノ!!」


《もちろんそれもランクAのスゲー石なんだけどね。73はもっと特別なの》



またもや呆然とする入江に追い打ちをかけるように白蘭は続けた



《悪いけど正チャン達には秘密で他に組織してあるんだ
特に正チャンに会わすには刺激が強すぎると思ったから伏せといたんだけど
もう敵同士だからいいよね。桜?》


《ええ。いいと思うわ。紹介してあげましょう》



桜が頷くと、立体映像の後ろにパネルが現れ、映像が投射された
そこには、様々な容姿の7人の姿



《紹介するね
彼らが本物のミルフィオーレファミリー6人の守護者






真6弔花♪






「リ…真6弔花!?」






目を瞠るツナ達
手塚は眉間にしわを寄せ、拳を握った
それに気づいた不二も目を伏せた




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