夜空を纏う四ノ姫4

□真6弔花
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不二に京子とハルを別室につれて行ってもらい、手塚はボンゴレアジトに連絡をした
彼女たちを迎えに来てもらうためだ

不二が戻ると白蘭との次の戦いについて話を始めた


「イタリアのヴァリアーたちの勝利によって事はだいぶこちらに有利になった
あとは…」

「あとは白蘭を極限に倒すだけだな!!」


了平が意気込んで入江の言葉を遮った
獄寺は額に青筋を浮かべる


「話の邪魔すんな芝生頭!!」

「何だとタコヘッド!!」

「まぁまぁ。でも実際、そういうことだろ?」

「フン」


山本に宥められ、獄寺が鼻を鳴らした
そこで話は終わるはずだった

しかし







《いいや。ただの小休止だよ》







突如響き渡った声に、手塚は肌が粟立つのを感じた
入江も目を瞠り、ツナは息を呑んだ

それと同時に、ヴァリアー側にも同じ声が響き、ザンザスも動きを止めた



《イタリアの主力戦も、日本のメローネ基地も、すんごい楽しかった》



すると、彼らの前に白蘭と、女の立体映像が映し出された
倒した敵の端末からの映像だった
その女を見た全員の目が見開かれた


「さ、桜!!!」

「(桜……)」


悲痛な表情を浮かべるツナとは反対に、
桜はいつもと変わらない笑みを浮かべていた
彼女の隣に立つ白蘭の飄々とした声が響く



《ボンゴレの誇る最強部隊の本気が見れちゃったりして
前哨戦としては相当有意義だったよね♪桜?》


「(…前哨戦?)」


《ええ。久しぶりにヴァリアーの戦いを見せてもらって楽しかったわ
それに正一たちも、見ててとっても面白かった》



含みを持たせた桜の言葉に入江と手塚は反応した
不二は顔を上げ、赤也は歯を食い縛った


「!」


《そうだね
メローネ基地で僕達を欺こうと必死に演技する正チャンは本当に面白かったなぁ》


《あら、国光と周助と赤也もよ
私が気づいていないと思ってるみたいでとっても滑稽だったわよ?》


「!!じゃあ…っ」

「僕達が騙してたのを…」


《うん。バレバレだよ。桜が僕に教えてくれるまでもない》


《私も時期じゃないから言えなかったけど、白蘭には関係ないことだったわ》


「(時期?)」


リボーンは思い出していた
先程の、自分も知らなかった夜のアルコバレーノである10年前の桜の言葉を








『今は話せないわ。時期じゃないもの。ごめんなさいねリボーン
ただこれだけは言っておくわ
私は、大空のアルコバレーノであるルーチェと同じことができる』









「(桜もアルコバレーノだ。だが、なぜ白蘭と……)」


《確かにこの戦いを逆に利用して敵に寝返る計画はよくできていたし
正直ボンゴレと手を組むなんて思ってなかったけど
正チャンがいつか敵になるのは想定の範囲内だったからね》


《ええ。それに、箱入りなあなた達のことよ
こんな血なまぐさい世界なんて知らなかった貴方たちが私のすることについて来るはずがなかった
上手く隠せてると思ってたんでしょうけど、すぐに分かったわ
私を見る目がはっきりと私を拒絶しているってね》



手塚は口を引き結び、眉間にしわを寄せた
ツナは心配そうな目で手塚を盗み見た



《それは正チャンも同じだよ。だって昔からずーっと正チャン
僕のすることなすこといつも否定的な目で見てたもん》


《ああ、確かに》



桜は侮蔑の色を目に宿し、頷いた
声が冷え切っていて、明らかな敵意を持っていた
入江は体を震わせ、それでもしっかりと目を向けた


「………あなたは…………間違ってる!」


《ほーらきた。まあ好きにすればいいよ
どちらが正しいかは今にわかるし》















それを聞いていたベルは口元をつり上げた


「なんか、好きなこと言っちゃってるカンジ」

「センパイみたいですねー」

「カッチーン」

「っていうか桜、思いきり敵ですって顔してるわ」

「桜の奴、今度会ったらただじゃおかねぇ」

「スクアーロは逆に桜に返り討ちにあうんじゃね?」

「それについてはミーも同感ですー」

「ゔお゙ぉい!!ケンカ売ってんのかぁ!!」

「フフッ」

「…………」



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