頂を目指す二ノ姫W

□焦がれた夢と
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それは遥か昔

この浦原喜助もまだいない程昔

桜はある不可思議な力が自分にあることを知った











「えっ!?」

「桜って、そのオジサンより年上なのかよぃ!!」

「……オジサン」

「アッハッハ!!丸井君ナイス!!!」

『……死神は見た目じゃ年齢は分からないわよ
というか人間の基準と同じにしちゃいけないわ』

「桜ちゃんは死神の中でもかなりの長命さんじゃん〜
2000歳超えてるっていうか」

「2000!!?」

「……規格外過ぎんだろ…」

「凄い年上だったんだね」

『……ごめんなさいね』

「…まぁ、気になんないっスよ。先輩は先輩だし」

「何カッコつけてんだよ越前!!」

「………話を続けてくれ」










王族の縁者である家ではあるが、そのような力を持つ者はいない

尸魂界において、このような力を持つ者など存在すらなかった











「………王族の…」

「縁者………?」

「つまり……」

「スッゲー!!桜って王族なのかよ!!」

「尸魂界にも王がいるのか?」

「ええ。霊王と呼ばれる方がおりますよ
桜さんはその霊王の親戚にあたる家柄の、所謂お姫様ですネ
というか当主だったんスけど」

「当主!?」

「(………"だった"…?)」

『……………ハァ』

「……自分ら、一言一言で話を区切らさんと、ちゃんと喋らしたり」

「そうだね。全然話が進んでないけど……」

「ねぇ桜。その力って、いったい何?」










それは突然の出来事だった

ある時から桜は頻繁に多くのモノを見た

それは身近な者の死であったり

愚か者の企みであったり

栄華であったり衰退であったり

過去であったり未来であったり











「………え?」

「…よく………意味が…………」

「……つまりこちらの言葉で言うと過去視と未来視……って所っス
ほら、よく超能力であるじゃないっスか」

「……確かに」

「あとはまぁ予言とか?
桜ちゃんはさ、そういう特殊な力を持ってたんだ」

『………ええ
そして、それを一纏めにして“幻視”と呼ぶことにしたのだけど
その幻視の中に、貴方たちがいたの』

「!!!」










特に未来視と呼ばれる類のものは神経を使った

その多くが非業の死を遂げる者たちの映像だったからだ

桜は何もできない事が悔しくなった

そしていつしか助けたいと思うようになった

何をしてでも助けたいと

そんな時、声を聞いた











「声?」

『ええ。今は説明が面倒だから省略するけれど
その声が、私にもう一つの力があることを教えてくれた』

「もう一つの力?」

『ええ………それは“対価”を払うことによって自らの願いを叶える力

祈言ノ式(けごんのしき)と呼んでいるわ』






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