夜空を纏う四ノ姫4

□チョイス開始
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次の瞬間、ツナたちは地面に倒れ込んでいた
超炎リング転送システムに導かれて対戦フィールドに移動したのだ


「み…みんな大丈夫?」

「ええ」

「こっちも大丈夫です!!」

「何とかね」

「ボス…何か埋まってる」

「……クローム」

「それランボだよ」

「あ」

「いたい〜〜」


ランボが泣き叫び、慌てるクローム
幸村は苦笑気味にそれを見ていた

獄寺は、匣に視線を落とした


「しかし本当にすさまじい炎を消費してんな。瓜が匣に戻っちまった」

「お前の猫、戻んの嫌がるもんな」


赤也も思わず匣を見つめる。すると、軽快な声がした






「やっ♪ようこそチョイス会場へ」






騒がしい中その声だけがよく響き、ツナは聞き覚えのある声に狼狽えた
手塚と不二が微かに構える


「びゃっ白蘭!?んな!?」

「な…なんということだ」

「ここは…









超高層ビル群のド真ん中!!!









これが今回の雷のフィールド。超雷炎硬層高層ビルだった

ツナたちはビルの屋上、ヘリポートにいるようだ
彼等の目の前には、白蘭と真6弔花、そして桜と跡部と白石が佇んでいた


「何度も会っているような気がするけど、僕と会うのははじめてかい?綱吉君」

「白蘭!!桜っ!!」

「さ、桜ちゃん!!」

「桜ちゃん!!」


ツナの声に被さるように、京子とハルも白蘭の隣で笑う桜に呼びかけた

ツナから桜が裏切ったということは聞かされていた
だが頭が追いつかず、信じられない思いだった
あの優しかった彼女が、敵であるという事実なんて信じられるはずがなかった


「(桜……)」


それは桜を姉の様に慕っていたクロームも同じだった
悲痛な面持ちで彼女を見つめる
手塚も不二も幸村も赤也も、決して彼女から視線を外さない

だが、桜は自分に向く様々な感情を含んだ視線を意に介さず微笑んだ


『あら。笹川京子に三浦ハル……それにクローム髑髏
この姿では初めましてね』

「桜ちゃん……何でそっちにいるんですか…」

「どうして……」

『それに新顔が他にもいるわね
門外顧問のバジルに、ヴァリアー相手に戦ってたはずの幸村精市までいるなんて…
おかしくってしょうがないわ』


他人行儀な桜の反応にハルと京子は目に涙を浮かべた
クロームもギュッと手を握る
幸村は歯を食い縛り目を伏せた


「桜は人気者だね。みんなと話す時間でもいる?」

『いらないわ。話す事なんてないもの』


桜は興味が失せたように視線を外した
白蘭はそんな桜に笑いかけるとツナに顔を向けた


「ここで戦闘をするからね。いいロケーションだと思わないかい?」

「こ、こんな人の多い所で戦えるわけないでしょ!!」

「そう言うと思って人はぜーんぶよけといたよ
ここには僕ら以外人っこ一人いないんだ」

「どういうことだ?」

「おって説明するよ」





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