夜空を纏う四ノ姫4

□チョイス開始
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空に浮かぶ奇怪な物体が並盛神社に向けて光線を照射していた
それを見ていた黒いコートを被っていた長身の男は、もう一人の長身の男を振り返った


「………行ったようだな」

「ああ……」


頷くと、男は後ろをついてきているフードの男たちに目を向けた


「アニキ…」


心配そうな声音は第3アフェランドラ隊の野猿。その後ろには太猿
そしてアニキと呼ばれた男は

獄寺と相討ちとなり超炎システムでメローネ基地ごと転送されたと思われていたγだった

γは前を歩く2人に不機嫌そうに問いかける


「おい。どこまで行く」

「この先だ。いいか。必ず言う通りに動いてほしい」

「でなければ、アイツに申し訳がたたん」

「………分かっているが…」

「今だけでも信じてほしい…



お前たちの姫のために」



「「「!」」」


その言葉に、γたちは口を噤んだ

2人の男はそうしてまた彼らを引き連れて歩き出した
























光の中、獄寺は遅れてやって来た山本と雲雀を軽く睨んだ


「てめーらおせーぞ!」

「わりーわりー」

「僕は個人として来てるんだ。君達とは関係ないよ」

「ちっ」

「フフ。山本くんはスクアーロに随分としごかれたみたいだね」

「あ、幸村さん。そういえばこっちに来てたんスよね」

「うん。よろしくね」

「………和やかに笑っている場合じゃないだろう」


幸村と山本の会話に手塚は目を押さえた


「だが沢田。よく来るとわかったな!!」

「ボンゴレの超直感とかいうやつか?」

「…いや。わかってたのは全員揃わなくては白蘭には勝てないということだけだ」

「…なるほどね」


不二は納得したように笑い、リボーンも口角を上げた
白蘭は穏やかに言う


「うん、いいねぇ。見事500万FVを越えて合格だよ






じゃあさっそくチョイスをはじめよう」






「ああ」






すると白蘭からカードの束がツナに向かって流れてきた


「まずはフィールドの“チョイス”をするんだけど
君達のそのすばらしい炎を讃えてフィールドのチョイス権は君達にあげよう」

「?何かしら?」

「トランプ…ですか?」

「フィールドのカードじゃね?」

「ああ。恐らくこの1枚1枚にフィールドの特性や属性が書かれてるんじゃないかな」


赤也が面倒くさそうに言えば幸村が頷いた
手塚はツナの周りを動くカードに息を吐き、腰につけた匣を撫でた


「正チャンからチョイスのルールは聞いてるだろ?
チョイスとは選択のゲーム
戦うフィールドと戦士を最初にチョイスしなければはじまらない
人のもつ運命によってね」

「………っ」


不二の眉間にしわが寄った
ツナは白蘭の顔を見上げるだけだ


「さあそのカードを一枚ひくんだ、綱吉君
それが君自身の“選択(チョイス)”だ」

「しかし敵のつくったカードでは…」

「大丈夫!白蘭サンはチョイスでだけは不正をしない男だ」

「よし。チョイスしよう」

「お」


ツナはカードの束から一枚引いた
そのカードには雷のマーク







「じゃあいこう」







白蘭の言葉と同時に、ツナたちの足は地面から離れた

そのまま上へと引き上げられ、凄まじい光の渦に呑み込まれた




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