夜空を纏う四ノ姫4

□ターゲットルール
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「だけど、それじゃ足りないよ
こっちはあと雨を一人と、雷を出さなきゃならない」

「雨はバジル君もいるけど………雷って…………まさかランボ!!」

「そ、それは………」


入江が表情を強張らせる
すると、手塚が息を吐いた


「入江……お前は俺の属性を忘れたか」

「!!手塚くん!!!」


手塚と不二がツナの前に出た
ツナは思わず2人を見上げる


「綱吉君。雷は国光が、雨は僕が出るよ」

「えっ!!」

「ま、待ってください。拙者も出られます!!」


名乗りを上げるバジルだが、不二が首を振った
開いたその目の奥には凄みがあり、バジルは口を噤んだ


「……あっちの参加メンバーがちょっとね」

「………お前達は強い。だが、ここは任せてくれないか」

「!!国光さん……周助さん………」


真摯な眼差しだった
ツナは彼らの覚悟を感じ取り、頷いた

すると、それまで黙っていた了平が堪りかねたように待ったをかけた


「オレが出れんのはおかしいではないか!!
極限に我流と修行をしたんだぞ!!」

「ここは我慢してくれ。条件は向こうも同じ。これがチョイスなんだ
それにジャイロルーレットの結果は決して悪くない!!
桜はしょうがないけど、向こうは一人少ない上に白蘭サンも出られないんだ!!」

「そんな理由で納得すると思ってるの?僕は出るよ」


雲雀はトンファーを構える
ツナと入江は慌て、手塚が頭を抱えるが






「待てって恭弥。ったくしょーがねー奴だなぁ」






「ディーノさん!」

『!!』

「いつのまに!?」


なんとイタリアからやって来て、今回はアジトで待っていると思われていたディーノが現れた
赤也は怪訝な顔をしてディーノを睨むように見る


「アンタ、いつからいたんスか?」

「転送(ワープ)の時にまぎれこんだんだ
おまえらの家庭教師なんだ。こないわけにはいかねーだろ?」

「びゃくらん、何アレ?」

「はね馬ディーノ♪」

『(ディーノ…)』


桜は苦虫を噛み潰したような顔をした
それに気付き白石が桜の肩を叩いた
ディーノは雲雀に向かって笑う


「考えてみろよ
ツナ達がミルフィオーレに勝てばその後はどいつとでも好きなだけ戦えるぜ
少しの辛抱じゃねーか。なっ」

「………急いでよ」

「ああわかった」

「(ディーノさんヒバリさん説得するのうまくなってるー!!)」

「さすがだね、彼」

「そうだな」


ツナは大人しくなった雲雀を見て口を開いた
不二と手塚は何とも言えない感覚に頷き合った
ディーノはツナを振り返り言う


「ツナ。お前が決定しろ。そのメンバーでいいのか?」

「え…は…はい!」


ツナが頷くのを見てからディーノは桜へ視線を移した
桜はその視線に片眉を上げる

一瞬にして空気がとげとげしいモノに変わり白石は内心苦笑した


「桜。久しぶりだな」

『そうね』


彼女の冷たい声音をものともせず、ディーノは朗らかに笑いかけた


「お前とこんな形で相対するとは思わなかったぜ
桜、こっちに帰ってこいよ!!」

『………あんたはそればっかり
ボンゴレ10代目といい守護者といい、いい加減にしてほしいわ
まあそれも、今日で終わるでしょうけど』

「桜……」

「そうそう。桜は僕のなんだから、諦めてよね♪」


本当に煩わしそうに髪を掻き上げた桜は背中を向けた
その背中を手塚が悲しげに見つめる



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