夜空を纏う四ノ姫4

□消えた幼馴染
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一人基地に残っていたターゲットであるデイジーは
ボンゴレが接近してきている事に焦っていた
だが、そんなデイジーに桔梗は余裕の笑みを浮かべていた


「ハハン。デイジーは理解っていませんね」


《?》


「このチョイスバトルは白蘭様が新世界の王となることを祝うセレモニーでもあるのです
白蘭様は完全勝利など見飽きておられる
たまにはヒヤリとしていただいた方が楽しめると思ってのピンチの演出ですよ
もっとも私ごときの考え、白蘭様はお見通しでしょうがね






いよいよショータイムです、白蘭様












それを聞いて、白石はフッと口角を上げた
血の付いた槍の先端を軽く振るう


「じゃ、もうチェックメイトやなぁ。あ〜あ、ゲームは終わりや」

「………くっ」


不二は、全身を切り裂かれ、貫かれ、血まみれで地面に倒れ込んでいた
レイピアを掴む手も弱い。息も荒く、目は虚ろだった


「なんや、セミファイナルを思い出すなぁ
せやけど、今回スーパールーキーは来ないで」


嘲笑する白石の声に、不二の顔が伏せられた
起きようと肘をついていたが、もうそこからは動けない
これが、答えなのだろう


「………終いや」


跡部から託されていた槍を空へと掲げ、振り下す





ガキッン……





「!」

「……例えもうリョーマが来なくても…………やるよ
諦めないって…決めたから!!」


青い目が白石を貫いた
肌を撫でる殺気に白石は息を詰めて慌てて飛びのく
が、わずかに速く切っ先が迫る


「(まずいっ!!)」


ほとんど無意識のうちに、白石はレイピアの切っ先を槍を持つ左腕で受け止めた
槍で受け止めることなど考えもつかなかったのだが、これが功を相した





ガチ!!





「えっ………」


人体に当たったとは思えない金属音がして不二は目を瞬かせた
白石はきまり悪そうに目を細める

切っ先を受け止めた左腕には、白い包帯
それは、西のスーパールーキーを操作する時に白石が使っていた「毒手」


「あ〜あ。まさかこんな形でバレるやなんてなぁ」


レイピアを引くと、引っかかって包帯が裂けた
そこから見えたのは、金色






「!!そんなもの…してたのかい…」






それは金のガントレットだった


相当な重さのそれをして、彼はラケットを振り
そして今、槍を振り回していたのだ


「……アレやな。悪役っぽく言うなら







俺の秘密を知った自分を、生かしておくわけにはいかんなってとこや」







白石の双眸が鋭く輝いた




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