夜空を纏う四ノ姫4

□ファレノプシス・パラドックス
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「パラレルワールドだな」





待機していたリボーンや幸村達が走って来た
ツナは堪らず叫ぶ


「みんな!!早く正一君の処置を!!あ…スパナは!?」

「もう向こうで毒サソリ達が処置をしている!」

「正一はオレ達が診てやる」

「ああ」


そう言ったリボーンと幸村は入江の傷を見て顔を顰めた
救急箱の中身では対処しきれない


「(ひでー傷だな…)」

「……笹川くん、晴れゴテを開匣してくれ」

「おう!!」


幸村の指示で了平が匣を開匣した
入江は虚ろな目を向ける


「すまないリボーンさん…幸村くん…
それより…パラレルワールドの説明を…」


「入江!!」


「入江君!!」


「あっ」

「国光さんと周助さん!!」

「無事っスか!!国光さん周助さん!!」


傷だらけの2人が走って来た
手塚は横たわる入江に拳を握り、不二は息をつめた
ツナはボロボロの2人に不安そうな目をした


「ふ、二人とも、大丈夫なんですか!?」

「………ああ」

「入江君に比べれば軽いものだよ……」

「ちょうどいい。お前達も聞け
パラレルワールドとは、世界はどんどん枝分かれしていってて
いろんなパターンの未来が存在するって考えだ。そうだな」


リボーンの視線の先には手塚と不二、幸村と切原
リボーンは眉を寄せた


「桜から聞いてたんだろ?」








「未来は、少しの変化で大きく変わる
だが過去と未来が一直線につながっている訳ではない」

「絡み合い、枝分かれして未来は形成されていく
だから、過去の一つの行いが、ある一つの未来を変えるわけじゃない」

「その全てに影響を及ぼし、最終的には、一番幸福な未来にも影響を与えるだろう」









「あ……」

「つまり、桜の言っていたことは
そのままパラレルワールドの説明だったってことだな」

「……全部がそうじゃないけど、一応はそういうことになるかな」


不二の歯切れの悪い答えにリボーンは首を傾げた

だが、そういうことなのだ
簡単に言えば、もしもの数だけ世界が存在するということだ
その為入江は自分がミュージシャンになっている未来があるはずだと行動を起こし
そしてまた、10年バズーカの弾でタイムトラベルをした


その未来でも、入江は白蘭と出逢った


「今度行き着いた10年後の僕の居場所は外国の町外れの廃れた飲み屋だったんだ…
見るからにヤバそうな人達がたくさんいて
どうやら未来の僕はミュージシャンとしてそこで演奏をして働いていたみたいなんだけど…
お金のトラブルを抱えてたみたいでギャングに追われていたんだ…」

「いいっ!?」

「そんな…」

「ハハ…おかしいだろ…?
僕はミュージシャンには向いていなかったみたいだ…一目散に店から飛び出したよ……
しばらくして人通りの多い大通りに出たところで運命の悪戯なのか…
またあの男にぶつかってしまった……そう―――――







白蘭サンだ







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