夜空を纏う四ノ姫4

□ファレノプシス・パラドックス2
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「信じないのは別に構わないけど
なんならその裏切り者たちに聞いてみればいいんじゃないかな?
彼らが答えを知ってるよ」

「!」


リボーンは手塚を振り返った

何も言えなかった
彼の表情は確かに、白蘭の言葉を肯定していた
嘘だと言うにはその目はあまりに真に迫っていた


「理解したみたいだね
それじゃあ約束は守ってもらうよ
ボンゴレリングは全ていただいて…君達はどうしよーかなー」


楽しげに笑う白蘭にツナは拳を握りしめた
すると、入江が白蘭の言葉を遮った


「待ってください!約束なら僕らにもあったはずだ…」

「?」

「覚えていますよね……
大学時代、桜が見ている前で僕とあなたがやった最後のチョイスで僕が勝った……
だが支払うものがなくなったあなたはこう言った……」








「次にチョイスで遊ぶ時はハンデとして正チャンの好きな条件を何でものんであげるよ」

「桜が保証ね。覚えてて」

『分かったわ。覚えておくわね』









「…今それを執行します






僕はチョイスの再戦を希望する!!」






正一の力強い宣言に跡部が目を眇めた
白石は傷口を確かめ乾いているのを確認していたがそれを聞いて苦笑した
白蘭もまた、容赦なくその要求をはねのけた


「悪いけど、そんな話覚えてないなあ」

「うそだ!!あなたが勝負事を忘れるなんて!!」

「ムシがよすぎるよ。桜もきっと覚えてない」

「でも約束は約束だ!あなたはチョイスには誠実だったはずだ……
それに、桜なら覚えてる。そうだろ桜?」


しかし跡部の腕の中にいる桜は身じろぎもせず沈黙していた
入江から彼女を隠すように跡部と白石が体をずらして白蘭たちからも離れる


「桜に聞くんじゃねぇよ」

「そうだよ、桜は今辛いんだからね
それにそんな話なかったって。ない話は受けられないよ
ミルフィオーレのボスとして正式にお断り♪」

「くっ…」


容赦のない台詞に入江も、ツナも目を固く閉じた
もう駄目だと思ったその時












『……私は反対よ』











「私も反対です。白蘭」












二つの救いの声が響いた


一人は頭に独特の被り物、白いマントを着た
首にリボンで結んだアルコバレーノのおしゃぶりを下げた少女
左目の下に特徴的な印があり
それはアルコバレーノの試練の時出会ったアリアのものと酷似している


もう一人は任務用と称していた短パンにブーツという漆黒を身に纏っている
露わになっている大腿部にはホルスターが装着されていて
そこには彼女愛用の紅染戦歌
青みがかった見事な黒髪を風に遊ばせ
その瞳はいつ見てもアメシスト色で神秘的だ


2人の少女の後ろには、額に傷のある活発そうな少年と眼鏡をかけた特徴的な髪の青年

4人の登場にリボーンのおしゃぶりが光を放った


「ミルフィオーレのブラックスペルのボスである私と
パフィオペディラムボス補佐であった桜様にも、決定権の半分はあるはずです」

『その通りよ』

「ユニ…桜…」


そこにいたのはブラックスペルのボスである少女、ユニと
10年前の桜、そして10年前に出会った不二裕太と木手永四郎だった




→Un afterword
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