夜空を纏う四ノ姫4

□夜空降臨
1ページ/6ページ




4人の登場に誰もが目を見開いた


「……桜!」

「裕太……」

「良かった……永四郎さんも……」

「ユニが……自ら口をきいた…
いやそれよりも……なんで桜が…」


ツナも驚愕に目を見開いた


「え――!?あの娘がミルフィオーレのもう一人のボス――!?
っていうか桜と裕太君と木手さんまでいるし――!?」

「やはりお前のことだったんだな。でかくなったな、ユニ」

「はい。リボーンおじさま」

「!!リボーンの知り合い!?っていうか…おじさま――!!?」


満面の笑みをリボーンに向けるユニの言葉にツナは叫んだ
切原がボソッと呟く


「そのナリでおじさまはねぇだろ」

「確かにね」

「この赤ん坊のことをおじさま――!?」

「うるせーぞ」

「いっで〜!!」


自分に向けられたツナの人差し指をリボーンが淡々と折り曲げる
痛そうなツナの声が耳に入って来るが
手塚の視線は事の成り行きを見守っているように佇む桜から離れない

微かに、跡部と白石が体をずらした


「だ…誰だよあの子!?」

「オレの知り合いの孫だ」

「ま……孫――!?」

「……アイツって変なトコ抜けてますよね」

「………」


切原の呟きに不二は苦笑した
聞こえなかったのか、獄寺はユニを凝視した


「じ……10代目!あいつの胸元…」

「首におしゃぶりさげてる…赤ん坊でもないのに……??」


ツナはユニのおしゃぶりに目を瞠った。それは鮮やかな


「あの色!?オレンジ色!?まさか……」






「はじめまして。ボンゴレのみなさん」






ユニは花が咲いたような笑顔を浮かべてツナ達に挨拶をした
一瞬和やかな空気が流れる

だがそれを白蘭がかき消した


「ハハハッ。これは一本とられたよ。いやあびっくりしたなー
すっかり顔色もよくなっちゃって、元気を取り戻したみたいだね、ユニちゃん♪」


白蘭は一瞬桜を視界に収めると、ユニに向かって笑いかけた
了平が怪訝な顔をする


「……病気でもしていたのか?」

「ちがうよ……白蘭サンの手によって……魂を壊されていたんだ」

「!!」

「たっ魂って!!」

「白蘭サンはブラックスペルの指揮権を手に入れるため
彼女を口利けぬ体にしたんだ…」

『(……そう。ユニとの会談で彼女に劇薬を投与して操り人形にした
それでγたちは傷ついた…)』


桜は表情を変えなかった。だが拳を握りしめた
浮き上がった青い血管がその強さを表していた
そんな桜の様子を気配で感じ取ったユニは桜を見上げた
視線が合い、桜の視線に応えるように、ユニは柔らかい表情を浮かべた


「でもその間私の魂は桜様に導かれてある場所に避難していたので無事でした
白蘭。あなたと同じように、私も他の世界へ翔べるようです」

『ユニ…』


桜がハッとしてユニを見下ろすと、ユニの優しい表情とぶつかった
桜は拳を解いて苦笑した。彼女の笑顔にはいつも絆される

そこで、全員の意識が桜に移った
本来なら居るはずの無い桜に


「あっ…ちょ…ちょっと待って…っ!なんで桜がそこにいるの!?」

『ああよかったわ。忘れられたのかと思った』


ホッとした様子の桜のアメジストの瞳を間違えるはずはない

だが、ツナには分からなかった
10年後の桜は変わらず跡部に抱きかかえられているのだ
10年後の桜と過去の桜が入れ替わった訳ではない
ツナは2人を交互に見て早口で言った


「過去から来た桜とこの時代の桜が同時に出現すれば
時空が壊れて世界が消えちゃうんじゃないの?」


じりじりと、跡部と白石が動き出していた。だが、誰も気づかない
ツナの言葉に表情が強張る獄寺たちだが、凛とした声が否定した


「その心配はありません
桜様が2人同時に出現しても、何も問題はありません」

『ええ。その通りよ』


柔らかい表情を浮かべる桜を白蘭の双眸が射抜いた
桜も同じように見返す




.
次へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ