夜空を纏う四ノ姫4

□決断
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「確かに大空のアルコバレーノには7の運用について特権が与えられているらしいし
夜を司る桜にもこの世界では7について口出しできるらしいけど
僕を怒らせるのはどうかと思うな」

『………』

「ボスのユニちゃんが裏切ったとして…
残されたブラックスペルがどうなってもいいのかい?
まぁ奴らはユニちゃんにゾッコンみたいだから
煮られようが焼かれようが大喜びかもしれないけどね」

「なっ…」

「それに桜も、十二煉華の残りのメンバーがどうなってもいいんだね?
ま、2,3人消えたって祇依ちゃんにはどうでもいいことだったかな?」


じわりじわりと桜を脅す白蘭に幸村が目を伏せた。切原が歯を食い縛る
誰のことを言っているのか分かっている。だがそれ以上に


「(……信じてるさ、2人とも)」


それはユニも同じようだった






「………みんなは……わかってくれます」






決然とした面持ちで、ユニは言い切った
これには裕太も、不二も感嘆せざるを得ない


「(それだけの覚悟があるんだね……)」

「(すげぇ……だからこそ、桜さんも、俺達も動くんだ……!)」


リボーンはツナを見上げた
彼でなくてはならないのだから


「あとはお前だけだぞ、ツナ」

「え!?」

「ユニに守ってほしいと頼まれたのはお前だ。どうするんだ?」

「だ…だって…この子の仲間が…」


頼りない目で、ユニを見たツナは気付いた
彼女の目。その目が、ツナの心に突き刺さった


「(…あの目……この子…
覚悟してる…こうなるってわかってたんだ…)」





『ツナ』





ユニの目にある決意を見ていたツナに、桜が声をかけた
ツナは桜を見て愕然とした

その目にも、ユニと同じ思いが見て取れた


『ツナ……あなたに全てを頼むことは酷だって分かってる…
でもお願い……ユニを……






私達を守って!!






「!!」

「桜っ」


今まで決して助けを求めなかった桜が、ツナを真っ直ぐ見て助けを願った
それにツナは心を揺さぶられた


「(桜も大変なんだ…
ユニを守ろうと、自分自身を守ろうと、世界を守ろうと、覚悟して………)」

「沢田!」

「!」


周りを見た

獄寺も山本も、手塚も不二も、敵だった者たちも、大切な仲間もいる
みんなの目が、みんながいるから



ツナはユニの腕を掴んだ







「くるんだ!!オレ達と一緒に!!」







ツナの力強い言葉を聞いた瞬間
涙を浮かべていたユニを抱えて桜はツナに笑いかけた


「みんな!!この子と桜を守ろう!!」

「ツナ君!!」

「ツナさん!!」

「よし!!よく言ったぞ!!」

「ああ」

「ハイッ」

「よっしゃー!!」

「ハッ。いいじゃねーか」

「腕が鳴るよ」

『みんな、ありがとう』

「ありがとうございます」


幸村と不二が桜を抱きしめた。白石がユニの頭を撫でる




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