夜空を纏う四ノ姫4

□欲望
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「バイバイ」

「白蘭様、お怪我は!?」

「ないない。ちょっと口寂しいけどね」


真6弔花は地面に降り立ち跪いた


「申しわけありません!!
我々がついていながら桜様とユニ様を……」

「いやー。あの娘達にはしてやられたよね
こんなことなら素直にチョイスの再戦うけときゃよかったかなー
といってもユニちゃんは断るの予知してやってんだろーし
桜なんかずっと前から知ってて祇映(シエ)を置いておいたんだしムリか」

「ニュニュウ〜!!びゃくらんなんかブゥーだ!!」

「ん?」


白蘭が取りだしたマシュマロの袋を掴んでブルーベルが頬を膨らませた
納得いかないとばかりにまくし立てる


「なんでユニなんて人形娘に振り回されてんの!?
裏切り者のさくらにも甘いし!!殺しちゃえばいいのに――!!」

「やだなーブルーベル。桜とユニちゃんを殺すなんて」


白蘭は冷酷な表情でブルーベルの首に指を当て、底冷えする低い声で言った





「次言ったら殺す」





白蘭の表情に恐怖を抱いたブルーベルは後ずさり
桔梗に倒れこんでしがみつき身を震わせた
桔梗はブルーベルを抱えて白蘭に畏まって言った


「失礼しました白蘭様
できれば我々にも桜様とユニ様を追う理由をお教え願えないでしょうか?」

「………言ってなかったかい?
僕はここ以外のほとんど全てのパラレルワールドで7をコンプリートしているが
どの世界で集めた7も僕を新しい世界の創造主にしてくれるほどの偉大な力は発揮していない…

だがそれがなぜなのか、今日見た目の眩むようなおしゃぶりの輝きで確信したよ
を覚醒させるために必要なのは魂をともなったユニと
最奥の鍵でありこの世界にしか存在しない夜である桜だ
が存在するこの世界の7が重要だったんだ

彼女達を手に入れ7のナゾがとければこの世界だけじゃない
全パラレルワールドの扉は開かれ、僕は超時空の創造主になれるんだ

この際なぜユニの魂がボンゴレなんかを頼りに今この世界にひょっこり戻ってきたとか
祇依が何を考えていて祇映がどこにいるかなんてのはどーでもいいや」


白蘭は袋からマシュマロを一気に取り出して豪快に口に持っていった
目つきを鋭くさせる


「欲しい…あの娘達が…」


白蘭はマシュマロを飲み下すと依然として固まっているブルーベルに笑いかけた


「ブルーベル。桜は祇映が過ごしてきたことを全てとは言わないけど知っているんだ
きっと運命と宿命と使命の重圧に耐えきれなくなって少し混乱しているんだよ
祇映がそうだったようにね
憶えてるだろう?苦しんでいた彼女を」












『私は使い捨てにされる駒
意志なんて持つ必要はない……ただの人形…

でも、私が望んだわけじゃない…っ

先を知ってるからって何なの……っ




誰が私にそんなことを頼んだのよ………っ』














「あ……」

「ネ?だから桜の目を覚まさせてあげる必要があるんだ」

「目を……」

「……わかったらさっさと追おうね♪」


残酷なほどにっこりと笑い白蘭は口を開いた

その目には2人の少女の姿








「一刻も早く桜とユニを奪え」










→Un afterword
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