夜空を纏う四ノ姫4

□敗走
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だが差し迫った状況として緊迫している事には変わりなかった
ツナは頭を抱えた


「数時間か…あと数時間で何ができるだろう」

「大丈夫ですよ。10代目」

「ああ。そうだぜ」


ツナの前に立つ獄寺たち。誰もが頼もしかった
桜も、手塚や跡部たちも、誰の表情も力強かった


「なんとかなるって」

「極限、俺たちがついてる!」

「この並盛で10代目にお会いしてから、死ぬも生きるも一緒と決めたんスから」

「(死ぬって縁起でもない……)」


顔を青くさせるツナ。裕太も同じことを思って苦笑した
絶句するツナにリボーンは容赦なかった


「ま、今度はそういうこともありえるかもな」

「追い打ちかけてるし!」

「それだけ状況が厳しいということだ」

「ああ。これからどうするかはオメーが決めろ、ツナ」

「ど、どうするって…ここは並盛だろ…だから…ええっと……」

「落ち着きなさいよ、沢田君」

『焦ったら何も見えなくなるわよ』


なだめるように声をかける木手と桜。すると






「みなさーん!!」






突然声が響いた
反響したような声に音源を振り向くと、灯篭と重なるように草壁が現れた


「無事に帰ったということは勝ったのですね!!」

「地面から草壁さん――!?」

「違うだろ。神社の地下ってヒバリさんのアジトだろ」

「あっそうだった!!」

「祝杯をあげましょう!」


暢気に地面から這い出てくる草壁に木手が手を貸す
手を借りたのが誰なのかを落ち着いて見た草壁は目を丸くした


「あなたは……永四郎さん!!でも…若い……10年前の!?
なぜあなたがここに!!」

「あっ…そういえば……幸村さんもそうだったけど……
木手さんも裕太君も……10年前の……」

「それじゃあ不二たちも10年前、から………?」

「今更かよ」


苦笑した裕太に幸村も曖昧に笑った
何と言っていいか分からないのか宙を見つめる


「今は気にしないでいてくれると嬉しいな
説明のしづらいことだからね」

「…またか」

「すみませんね
まぁ、事の成り行きでボンゴレの方と行動を共にすることになったんです
10年前の桜さんもいますよ」

「なんと!?一体チョイスで何が?」

『それより、今結構緊迫した状況なのよね』

「あっそうです!そんな場合じゃないんです
無効にはなったけど、チョイスには負けちゃったし」

「今敵が追って来てんだ!!」

「奴等が来るまであと数時間しかなくて
とにかくどこか安全な場所を探さなくちゃ」


あたふたするツナに、事情がよく呑み込めていない草壁だが口を開いた


「事情はわかりませんが、ひとまずボンゴレアジトに戻られてはいかがでしょう
ここからもアジトへつながっています!!」

「そっそうだ!!ボンゴレアジトなら安全だ」

「入江や周助さんたちの為の医療設備もあるしな」

「今ベストな選択肢だろう」


山本と手塚も同意する。すると、突然雲雀が階段の方へ歩き出した
草壁が慌てて問う


「恭さん!!どちらへ!!」

「群れるのは嫌いだからね」


そう言って雲雀が飛んだ。かなりの跳躍力だ
慌てて草壁も走り出す


「あ、私も行きます!!」

「草壁さん」

「私も行きましょう」

「ん。頼むな永四郎」

「俺も行くぜ!!」

「なっディーノさんも!?」


草壁に続いて木手も雲雀を追って行く
その背中に白石が声をかけると、その脇をディーノも駆け抜けた



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