夜空を纏う四ノ姫4

□敗走
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並盛町。並盛神社



「いつつ…や…やった!!並盛に…転送できたぞ!!


で!!」


「10代目!!大丈夫っスか!?」


ワープ時に木に引っ掛かったツナは地面に落ちた。慌てて獄寺が駆け寄る
桜は体を支えていてくれた手塚に微笑むと基地ユニットを見た


『大丈夫そうね』

「ああ。それより転送システムを破壊しなければな」

「え?」

「あれは1つだけやからな。あれを壊しとけば白蘭は追ってこられへん」

「そうなの!?それじゃあすぐ壊さないと!」


すると獄寺がリングに炎を灯した


「でしたら10代目!!オレにまかせてください」


匣から瓜と匣のベルト。そして髑髏のガントレット
ロケットのような弾もある


「炎が吸収されるんなら新兵器の実弾を使います!!
ターゲットロック!!果てろ。赤炎の弾(フレイムミサイル)!!」





ドガン





放たれたミサイルは転送システムに見事に激突した
跡部が口角を上げる


「アーン。やるじゃねぇか」

「あ゙ぁ!?」

「すごい。当たったよ!!」

「マ…マグレッス♪」


跡部とツナで凄まじく態度の違う獄寺に跡部は呆れた顔をした
木手と幸村はジッと転送システムを見つめる


「民家のない方に落ちていってますね」

「これで時間が稼げたよ」


一同ホッと胸を撫で下ろした
基地ユニットでも同様で、操作をしていたジャンニーニはところで、とユニを振り返った


「我々は今までどこにいたんでしょう?」

「チョイスが行われていたのは無人島です
白蘭は誰にも発見されてない無人島を改造してアジトの一つにしたんです」


ユニの説明をヘッドホンから聞いていたツナは桜を振り返った
基地ユニットの中と通信手段がない桜は首を傾げた


「さっきまでいたのって、無人島だったって…」

『ええ。そうよ。ここからはかなり遠くにあるわ』

「まだ見つかってない島があったなんて…」

「恐らく白蘭の能力を使ったんでしょう」


驚くツナにバジルが神妙な面持ちで言った
すると、転送システムがスパークを起こしながら突然掻き消えた
ツナは目を見開く


「なっ消えた!!」

「どーいうことだ!?」

「…白蘭の元へ戻ったね」

「ああ。破壊できていなかったのか」


狼狽えるツナと獄寺に不二とディーノが淡々と事実を突きつける
だがリボーンは微かに口の端を上げた


「心配すんな。完全に破壊できなかったが、ダメージは与えた
しばらくは戻ってこれねーはずだ」

「同感だな。あれだけのダメージですぐ戻ってこようと思っても
ピンポイントに並盛町には戻ってこれねぇだろう」


リボーンに頷いた跡部
だがツナの不安を和らげるほどではなかった


「しばらくってどのくらい!?」

「……ダメージを与えただけだからな
……せいぜい数時間という所だろう」

「数時間しかないの!?」


眼鏡の奥に鋭さを見せた手塚にツナの不安が煽られる
基地ユニットの中でそれを聞いていた心配そうなユニに京子が声をかけた


「大丈夫だよ」

「そうです。ツナさんがきっと守ってくれます!」


ハルも拳を握って力説し、切原はむず痒そうにそれを見ていた
ビアンキが力強く言葉を続ける


「きっとじゃなくて、絶対守らなければならないわ」

「うん。絶対守ってくれる!」

「ゼッタイのゼッタイ!!」


イーピンの笑顔と京子とハルの言葉にユニの表情が緩んだ




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