BOOK

□I like TAKOYAKI笑"
2ページ/3ページ





 またその陳列は長く
 ドミノのように組まれた自転車は
 300メートル先まで並んでおり、

 無残にもそのすべてが倒れ果てた



 泣きながらも仕方なく僕は
 地道に自転車を元に戻した

 やっと着いた駅のホームで
 電車待ち。


 そうして
 来た電車はすっからかんで
 客は僕一人という、
 ありえないこの状況。

 少々、挙動不審な僕を乗せ
 電車は次の駅へと向かう


 すると
 明らか人口密度の高い
 駅のホームが
 目の前に飛び込んできた。



 “電車よ止まるな”と
 一瞬願った僕の声を
 さえぎるかのように開いた
 電車のドアは
 地獄の門のようだった。



 勢いよく入ってくる人の山は
 満員電車の中の満員電車。


 そんな中で新聞を読み始める
 サラリーマンの気が知れない。



 これもタコ焼きのため、
 これを乗り越えた先で
 待つものもまた、
 愛しのタコ焼きだ。



 そう信じて
 電車を命懸けで降りた僕は
 タコ焼き屋まで
 ひたすらダッシュ!!



 そして

 やっと目に映すことができた
 「タコ焼き屋」の文字



「すいません、
 9個入りで
 愛しのタコ焼き一つ。」


 やっとー…やっとこの時が、


「はいよぉ。
 一つ600円だよぉー。」


「はい♪…!?...????????」


 おっ、お金がない…?



 てか 財布がない…。


 財布が行方知れずじゃ、
 タコ焼きどころか
 帰るにも帰れない


 僕はタコ焼き屋を中断し
 財布を求め、交番へと足を進めた

 ところが
 交番の中はモノけのカラ。



 こういう大事な時に限って
 警察さんは....

 そう反らした視線の先には
 幸せそうに
 タコ焼きを頬張る警察官。



「なんでやねん!!!」


 タコ焼き食べんなら働けや!!っとは
 なんだか言いにくいかった



 だってタコ焼き好きに
 悪い人はいないよ。





 こうしてはいられない!

 タコ焼きが
 僕を待ってるんだ!



 そう言いタコ焼き屋に
 戻ろうとした瞬間、
 輝くモノが視界を過ぎった


 これは
 かの有名な銀色に輝く
 100円の金貨…

 と思いきや
 おもちゃの100円。


 なぜだか記念にポケットへ←





「んっ!?」


 ポケットの中で
 もう一つの何かが
 チャリンと、音を鳴らした



 出てきたのは500円!!

 これぞ神からの手ほどきだと
 神様に祈りを捧げつつ


 タコ焼き屋に目を移した僕は
 びっくり仰天する。


 タコ焼き屋から並ぶ客の列が
 ものすんごく、

 本当色んな意味で
 言わせてほしい


 どこまで続くのタコ焼きロード♪





 なんだろ...

 客の列がソースのかかった
 タコ焼きに見える。


 ついに僕は
 タコ焼き錯覚病を
 併発してしまったようだ

 腹の虫も騒ぎ出す。


「タコ焼きが
 食べたいんですけどー…」





 列に並んで一時間後。



「タコ焼き一つ、6個入りで!!」


「あの、ゴメンね...お客さん。
 もうタコがないんだ
 本当ゴメンね。」





 タコ焼き...完売。








 昼1:32___

 タコ焼きについて考える。



 この500円で
 タコ焼きのため出来ること…


「ちょっと、このタコ焼き屋を
 僕に貸して下さい!!」


「え!?いや...はい!?」


「ちゃんと綺麗に返しますから!!」


「はぁー…」



 僕はタコ焼き屋のおじさんを
 なんとか交渉し、
 駅前のスーパーへ駆け込んだ。



 小麦粉にタコ、
 マヨネーズになんとかソース
 そして卵に...


 僕は全ての具材を
 手に取りレジへ。



 500円分でタコ焼きの具材は
 そろえれるのだと
 何かしらの証明をした







 そうして 2:25____

 僕のタコ焼き作りは始まった



 と、思いきや


「キューピーマヨネーズ、
 じゃない!?」



 これは一大事。

 マヨネーズは
 キューピーに決まってる!!

 コレステロールより
 キューピー!!




 
次へ
前へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ