BOOK

□-詩-
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     :=:free day:=:





 この世界のどこを見渡そうと
 面倒くさいことばかりが
 視界をちらついて

 うっとうしくて

 息を吸っては吐くことさえも
 面倒くさくって


 なんか泣けた。





 桜が散ってしまうこの春も
 陽射しが照り付けるこの夏も
 紅葉に目が行くこの秋も
 風の冷たいこの冬も


 そうやって時間ばかりが
 どんどん先を進んでくから
 まだ今を感じてたいのに
 すぐ僕らから遠ざかる…

 そのくせ僕らは
 思い出に浸ろうとするから

 ムカつくんだ。







 知らない人に向けた
 わけもわからない挨拶も

 変な家族の温もりも

 ややこしい友情関係も

 恋人との幸せなひと時も

 なんだかもどかしい将来も

 忘れたいのに消せない
 過去の出来事も



 これ全部が僕のすべてで
 一つ一つが大切なものなんだと
 言い聞かしては進んでく毎日。





 いい人気取りなこの優しさも
 一人ぼっちの淋しさも
 瞳の奥をくすぐる悲しみも
 誰にも言えないこの胸の痛みも

 悩んでたことさえ
 忘れてしまうようなこの辛さも



 いつかはそんな
 一つ一つの出来事さえ
 見えなくなって

 今が幸せなのかも
 わかんなくなって

 人の足元ばかりが
 気になってしまう人間に
 なるのかと思うと

 やってられないんだ。







 自分がなくなっていくのを
 待つみたいで

 やってられないんだ。




 
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