頂き物

□ユメ
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「まったく…佐川の言う通りになったよ」
「クロさん?」

「いやいや、なんでもないよ」




たまに、僕のユメが決まったあの日を思い出す。

佐川に、ほとんど強引に決められたけど……



玲を拾ったあの日

まさかこんなに優秀な秘書に成長するとは夢にも思わなかった。


それに…


「キレイになったなぁ…」


幼い頃も、綺麗な顔立ちをしていた。
だが今はその顔からは幼さは消え、凄く美人になった。



「クロさん…私の顔になにかついてます?」

「い、いや…」

「あ、お茶いれてきますね」




美人で優秀な秘書兼助手。
僕も、お客からの依頼は一応キチンとこなせている。



「案外、この仕事は向いてるのかもね」


そう思うと、なんだか笑えてきた。

柔らかな日の当たるデスク、それはなんとも心地よいもので。
椅子に座ってぐっと伸びをすると、すぅっと眠気が襲った。




「…あら、寝ちゃったのね」


玲がお茶を持って戻ってきた時には、すっかり夢の中にいた黒河。

すうすう寝息をたてる黒河をみていると、自然と笑みが溢れた。


「お茶、飲んじゃおっと」





将来のユメ

学生の時はユメなんてなかった…けど、佐川のあの提案でほとんど僕の人生は決まっていたのかもしれない。


あの時決めたユメが叶った今

次は どんなユメを追おうか…





ユメ
End


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