夢幻神話─本編─
□第七章
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「明日香、行くよ」
速人は手を差し出した。明日香が彼の手に掴まって立ち上がった時、遅れて薫が到着した。
「これは……」
巨大な化け物の姿に薫は言葉を失った。メンバーの中で比較的戦闘経験が少ない彼女には、妖の不気味な姿には慣れていないのだ。
「はっ!」
全員に巨大な雷の塊が放たれた。5人は四方に跳んでソレを避ける。その攻撃を横目で見ながら速人が呟いた。
「『雷』属性か。えーと相性が良いのは?」
「相性で良いのは『炎』と『土』ですね」
速人の問いに明日香は即座に答えた。速人は明日香の言葉に頷き、指示を下した。
「薫、翔、あと貴之! 3人が前線に行ってくれ!」
「了解!」