夢幻神話─本編─

□第二章
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 晴れた日の昼下がり。土曜日だけあって駅前通りは人で溢れ返っていた。そんな中を明日香はポニーテールの少女、工藤遥と一緒に歩いていた。

「あ〜あ、どうして世間は連休なのに私達は補習という物が存在するんだろ?」

「そういう学校ですからね」

 先程から小言ばかり言っている遥に、思わずクスクスと笑みを零す明日香。そんな彼女を軽く一睨みすると、遥は再び溜息を吐いた。

「あ〜あ、何で私あんな学校に入ったんだろ?」

 先程から溜め息しか溢していない遥に明日香はおかしそうに笑った。ふと遥が此方を振り返る。制服のクリーム色のスカートがはためいた。

「あ、そういえば明日香、アレどうなった?」

「アレ?」

 訳が分からないと言わんばかりにキョトンとした表情を浮かべる明日香。そんな彼女に遥は詰め寄る。

「一ノ宮先輩との事件! 何があったの? 白状なさい!」

「何もありませんよ〜」

「いーえ! 学園一の情報通の本能が違うって言ってるわ!」

「ホントですって〜」

(それに……言っても信じて貰えないだろうし)

 明日香は必死で手を振りつつ考えていた。あの日──明日香が水の巫女だと知らされてから3日が過ぎようとしていたが、かと言って劇的な変化もなく、翔もあれ以来現れる気配がない。まるで夢でも見ていた様だ。

「意外としぶといわね……こうなったらクレープを食べながら……」

 なかなか口を割らない明日香に渋い表情をする遥は、明日香を近くのクレープ屋に連れて行こうとした、その瞬間。

「キャアアアァ!」
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