novel(long)

□恋の試練〜告白
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「ウソップ?」

二つの人影は、ウソップらしき人物と水色の髪をきっちり一つに束ねたいかにも優等生らしい女生徒。

確か1年生だったハズ。

そう、"ビビ"。

「あら〜、もしかして?」

ちょっとした好奇心に誘われ、ナミは二人の会話に耳を澄ませた。

「あの、ウソップさん!えっと、その…あなたの事が好きですっ///!」

ビビは真っ赤な顔をして俯いた。

必死に今の言葉を振り絞ったのだろう。

瞳にはうるうるとうっすら涙が滲んでる。

告白されている側のウソップにもその緊張が伝わった様で、ビビと同じ様に赤い顔をして俯いてしまっている。

「えっと、その、なんだ///ι」

ウソップは突然のビビからの告白にどうしていいか解らない。

その態度を目の当たりにしたビビは、

「あの、ごめんなさい。ウソップさんを困らせるつもりは無いんです。ただ、私の気持ちを知ってもらって、私の事をちょっとでも考えて貰えたらそれだけで…あの…///」

その表情が何とも可愛らしくて、こんな経験初めてなウソップも心を揺さぶられぬわけがないだろう。

「え、え〜っと、ビビの気持ちはすげぇわかった。だから俺もちゃんと考えたいと思う。だから、ちょっと待っててもらってもいいか?返事…」

ウソップは固まっていた顔に何とか笑顔を作りながら、そう答えた。

その優しい表情に、ビビのこれまで強張っていた顔もやんわりと解れ、ビビからもニコリと笑いが零れた。



「おいナミ、何してんだ?」

自分には絶対にあり得ない様なほのぼのしたシチュエーションに浸りつつあるとき、 突然自分の名を呼ぶ大きな声に、珍しくナミは驚いた。

「ルフィ?!駄目!シーッ!!」

慌てて腕を引き寄せ、とぼけた顔をしているルフィの口…というか、顔全体を手で押さえたがすでに遅く。

「おっ、ウソップじゃねーか!おーい!ウソップ〜!!なにしてんだ?」

ナミが大慌てで平手打ちを繰り出しながら止めるのも聞かず、辺りを気にもせず大声で叫んだ。

それもそのはず、ルフィがこの状況を即座に判断し、雰囲気を飲めるなんて天地がひっくり返ってもあり得ないだろう…。

「ル、ル、ルフィ?!ナミ!!」

ウソップとビビは同時に声がする方を振り向いた。

「お前何してんだ、こんなとこで」
「お、お前らこそ、何なんだっι」

脳天気な1人を除いて、気まずい顔をした3人。

「ごめん、ウソップ!私達、帰るから!」

ウソップが何も答えられずにいると、ナミはルフィの腕をぐいっと掴んで引っ張って行く。

こうなってしまったら、後は本人達でどうにかしてもらうしかない。

ましてやルフィなんかがいたら、余計にややこしくなる…。

「ルフィ、行くわよ!」
「お、おう!」

ルフィはナミの勢いに押され、大人しく歩き出した。

「じゃ〜な〜ウソップ〜!」

何とも気まずい二人を残してナミとルフィは腕を組みながらその場を立ち去った。

そそくさとウソップとビビがいる場所から離れ、二人の姿が見え無くなった所でナミは立ち止まる。

「いい?ルフィ。今の事、誰にも言っちゃ駄目よ。分かった?」

少し脅しを利かせる様にルフィに詰め寄る。

「今の事?何だ?今の事って」
「だから〜今ウソップとビビが一緒にいた事よ!」
「びび?」
「いたでしょ?今ウソップと!」
「?」

ルフィはナミの言葉に首を傾げていた。

「いたか?誰か?」
「………もういいわよι」

いつもの事だと呆れ気味にナミはルフィの手を引いた。

「なぁ、ナミ〜。お好み焼き食って帰ろーぜー、お好み焼き!俺は腹が減っちゃったぞ!なぁ〜」
「はいはい、分かったわよ。でも、あんたのおごりでね〜♪」

とことん恋ニブな奴がここにもいるんだから…なんて、溜め息を漏らしつつ、ウソップとビビの姿を思い出しながら「サンジ君、どうするかしらね〜」なんて、他人の色恋沙汰には大いに期待するナミだった。


To be continued…
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