novel(event)
□決戦は誕生日〜battle 1
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今夜の見張り番はウソップ。
なかなか届かない夜食にしびれを切らせ、まだ明かりの点いているキッチンへと向かう。
とはいえ、告白する事を決心した今、サンジと二人きりになるのは極力裂けたかったが、腹の虫には勝てない。
ドキドキと高鳴る胸の鼓動を何とか落ち着かせ、キッチンへと続くドアの前で深呼吸をした。
ドアノブに手を掛けた瞬間、今まで物音一つ聞こえてこなかったドアの向こうから何やら話し声が聞こえてきて、小窓を覗く。
「好きなんだ…ずっと好きだった」
目の前が一瞬にして真っ暗になるってこういう事か…。
今まさにそんな状態ι
だって当然だろ?
長椅子にいるサンジの前には、ナミが座ってたんだから。
「なぁんだそんな事?前から知ってたわよ」
ナミのサンジへの反応が見るのが嫌で、即座にその場を立ち去ろうとしたが、聞きたくなかったナミの台詞が余計に打撃を与えた。
覚束無い足取りでどうにか見張り台に登り、毛布を頭から被る。
「そっか…、そりゃそうだよな。あいつは女が好きなんだもんな。当たり前じゃねェか…そんなのよく考えりゃ解る事だろ…アホだぁ、俺ι」
一人なのを良いことに零れる涙を拭いもせず、朝まで大泣きしてやろうと俺は決めた。