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□決戦は誕生日〜battle 2
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サンジの目の前に現れた物は、編み方は少々粗めではあるが、綺麗なグラデーションのブルーのマフラー。

「これもしかして、お前が編んだのか?」
「や、編み物なんてした事ねぇから下手くそだろ?
ナミに聞いたら次は冬島だっつうし、ロビンに相談したら編み方教えてくれてよ…で、でもホント、マジ変だから…やっぱ返せ!」

顔を鼻の先まで真っ赤にしながらマフラーを掴み取ろうと再び手を伸ばすが、悉くサンジに阻止される。

そしてマフラーがウソップの首に巻かれたと思いきや、ぐいと引かれ、サンジの胸の中に引き寄せられた。

「うわわわわわ!!サ、サ、サンジぃ///!?」
「マフラーってこういう使い方するもんだろ?」「あ、アホか!!マフラーってのはそもそも首に巻くものであって…あ、巻いてるからいいのか…って良くねェ!」
「ウソップ…ありがとな、巻き心地はイマイチだけど?」
「わ、悪かったな!だから下手だっつっただろ〜が」
「そんな事より…このマフラーの色ってもしかして」
「そんな事ってιいや、見た事ねぇけど、オールブルーってこういうイメージが俺にはあってだな…つーか、いい加減離せよιこんなとこナミにでも見られたらマズイだろ?!ってか、俺がかなりマズイι」

漸くサンジの力が弱まり、二人の間に距離が出来る。

ホッとした様ながっかりした様な複雑な気持ちのままサンジから視線を逸らすと、サンジが顔を覗かせる様に話しかけて来た。

「なぁウソップ、前からずっと思ってたんだけど…好きなんだろ?」
「へ?な、何が?何を?!」
「お前が、俺をだよ」
「俺がお前を何?!と、突然おかしな事言い出すんじゃねェ!」
「前から思ってたって言ったろ?俺の事好きなんだろ?」
「な、何言い出すかと思えば……も、もちろん、嫌いじゃねぇけど?」
「そういうんじゃねぇよ…好きなんだよな?俺の事が」

何でこいつは俺にそんな事聞いてくんだ?

聞いてどうすんだよι

「それって言わなきゃなんねぇのか?……大体なんで俺にそういう事聞くんだよι」
「そりゃ聞きてぇもん」
「聞きてぇもん!じゃねェ!ったく、か、勝手にそんな事思われても迷惑だし、そんなふざけた事抜かしてると後悔すんぞ」
「後悔?んなもんしねェよ」
「ほんっとにしねぇか?…俺がもし、もしお前が、すすす好きだとして何かしても?」
「しねぇよ?それに、お前に俺に何が出来んだよ……"嘘つく"とか言うなよ?」
「言わねェよ!! た、たとえば・・・・キスとか?」
「はっ、キス?お前が?いいぜ、やれるもんならやってみろ!」

ウソップはサンジの目を見詰め少しずつ少しずつ顔を近づける。
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