現実逃避(夢)

□気づいた時には
2ページ/3ページ

それから、話が弾んでいつしか夕暮れになっていた。
 「もう、帰らなくちゃな」
 「え、もう帰っちゃうのかい?」
 「また、ここに来れば会えるよ」
 「本当かい?」
 「もちろん」
 「そっか、わかった」
 「じゃあ、またね」
 「ああ」
君はその場からどこかに行った。そして次の日、もまた次の日も君はここに来た。
 そしてある日君はいなくなってしまった。
だけど俺は寂しくないよ。だって君はここにいるから。でも君は微動すらしないね。なんでだい?ああ、寝てるのかな・・・でも、寝息が聞こえない・・・・どうして・・・?
 なんで君は息、してないの?・・・・・ねえ、はは、またいたずらかい?まったく君は・・・・・悪い人・・・だね。
 「なんで俺は泣いているのかな?」
冷たく俺の中で眠っている君に問う。しかし返事はなかった。
 どうして今頃気づくんだろう・・・・俺の手が真っ赤っていう事を・・・・。
            END
次へ
前へ

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ