現実逃避(夢)
□気づいた時には
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それから、話が弾んでいつしか夕暮れになっていた。
「もう、帰らなくちゃな」
「え、もう帰っちゃうのかい?」
「また、ここに来れば会えるよ」
「本当かい?」
「もちろん」
「そっか、わかった」
「じゃあ、またね」
「ああ」
君はその場からどこかに行った。そして次の日、もまた次の日も君はここに来た。
そしてある日君はいなくなってしまった。
だけど俺は寂しくないよ。だって君はここにいるから。でも君は微動すらしないね。なんでだい?ああ、寝てるのかな・・・でも、寝息が聞こえない・・・・どうして・・・?
なんで君は息、してないの?・・・・・ねえ、はは、またいたずらかい?まったく君は・・・・・悪い人・・・だね。
「なんで俺は泣いているのかな?」
冷たく俺の中で眠っている君に問う。しかし返事はなかった。
どうして今頃気づくんだろう・・・・俺の手が真っ赤っていう事を・・・・。
END