東方系SS

□deep sky【魔理沙×アリス】
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・・・


空は晴れていた


風はこんなにも心地いい


いつもと変わらない


そんな日常


私は窓辺で紅茶を飲みながら読書に耽っていた。


そしてふと、


窓の外から空を見る

綺麗な青空

そよ風に揺られる樹木たち

小鳥のさえずりはまるで音楽を奏でているかのよう


そして、空の向こうから

人影らしきものがこっちに向かってくる

次の瞬間


強烈な炸裂音が鳴り響く


窓は全壊

即座に身を翻した私は無傷だった


もうもうと立ち上る硝煙からは


・・・見覚えのある人影


またあの子ね


「よう、アリス!元気かい??」


「ちょっと魔理沙!あんた毎回毎回・・・」

私が今日という今日はちょっとばかり搾り上げてやろうかと

思って怒鳴りつけようとした瞬間


「まぁまぁいつもの事じゃないか」

と何の屈託もない笑顔で遮ってくる

「いつもの事だから言ってるのよ!!」

私が怒るのもそっちのけ

魔理沙は笑いながら

「まぁ落ち着けよ。今日は用があって来たんだ」


人の言うことを聞く気配は全くなし

この子のKYっぷりにはほとほと呆れる。

まぁだからと言ってうやむやにしてしまう私も私だが

「用って何?」

私が訪ねると


「誘いに来たんだよ!こんなにいい天気だ

家にこもりっきりじゃもったいないぜ!」

そういうと私の腕を引っ張り強引に箒の上に乗せる

「それじゃレッツゴーだぜ!」

「ちょ、ちょっとまっ、きゃ」

箒は加速し猛スピードで空を突っ切る


そして数分後

「着いたぜ」

箒から降りて景色を見渡すと

そこにはこの世のものとは思えないくらい

美しい紅葉が広がっていた


そうか、もう秋が来たのね

そんな季節かぁ

「これをアリスに見せたかったんだぜ。

というか///二人で見たかったのぜ><」


・・・

「ふふふっ。」

私は少し笑った

魔理沙の相変わらずの無邪気さというか

本当に子ども見たいな性格

そしてこの綺麗な景色

少し私の心が温かく

それでいて優しい、穏やかな気持ちでいっぱいになった。


魔理沙はいつも唐突に現れて

時に困らせたり

時に笑わせてくれたり

時には勇気づけてくれたりもした


私は、そんな魔理沙にいつしか

自分でもよくわからない

特別な感情を抱くようになった

同じ友人のパチュリーや

霊夢に対してとは違う


また、特別な何か・・・・


「?どうしたんだ?」

少し呆けている私をみて魔理沙が訪ねる


私は

そっと魔理沙の手を握り

「///ありがとう。こんな素敵な場所に連れてきてくれて」


「あ、あぁ、ってどうしたんだアリス。顔が赤いぜ。」

魔理沙は戸惑う

「そうかしら?。魔理沙も真っ赤よ」

「・・・////」


少し、気まずい空気が流れた・・・


そして私は魔理沙の顔を見つめ・・・

「魔理沙。次は・・・その、ちゃんと玄関からインターホン押して

入ってきてね」

魔理沙もまた私の顔を見つめ、少し照れ笑いしながら


「あぁ、なるべくそうするぜ」

「なるべくじゃないでしょ!。基本じゃない」

「だな」

本当にわかってるのかどうか


だけど・・・

私はそんな魔理沙が・・・



「アリス・・・しばらくこうしていたいのぜ」

照れるようにそう言ってくる魔理沙

「いいわよ、私も魔理沙とこうしていたい」


紅葉、そしてそれを照らし出す秋空の夕焼けのコントラストが

私たちを包む・・・


deep sky 〜終〜
 

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