戦国おとぎBASARA

□珍説・シンデレラBASARAside(完結)
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※キャラクターの性格は3(筆頭はIGアニバサ寄り)ベースです


 昔々あるところに、シンデレラというとても美しい娘がいました。
 しかしシンデレラは、美しい見た目に反し、いつもボロを纏って家事に負われていました。なぜなら、シンデレラの父親と母親が、既に病気で亡くなっていたからです。
 因みに、父親は「可愛いまさ…シンデレラを残して逝くなんて嫌だぁぁあ!!!」と、泣いて喚いてシンデレラを困らせましたが、お話の設定上仕方ないので問答無用で(側近の遠藤基信さんが)ベッドに沈めました。
 さて、この父親は、シンデレラの母親が亡くなった後―――というのも、母親の方が先に亡くなったのです―――再婚して新しい妻を迎えていました。
 この新しい妻―――シンデレラの継母は、とても美しいひとなのですが、お姫様育ちだったので炊事洗濯掃除にゴミだしなんて出来るわけがありませんでした。そこで、良家のしそ…いやいや子女なのに炊事に関しては玄人はだしの腕前を持つシンデレラは、泣く泣くどころかかなり積極的に家事炊事を引き受けたのです。
「あぁ…今日も独眼竜は灰だらけ…これも市のせい…」
「No problem,気にすんなって、アンタを灰だらけにする方が忍びねぇ……て、俺がシンデレラかよ!!」
 と、シンデレラは一人ツッコミをしつつ、ちょっと、いや、かなり内向的で自虐的な性格で、一部の信者―――継母には熱烈な?信者が多数います―――に第五天魔王と呼ばれている継母を慰めました。
 この継母には、二人の可愛らしい娘が連れ子で付いて来ましたが、この二人の娘は、第五天な母親と違って、とってもアクティブでとってもポジティブな思考の持ち主達でした。
「おーい!青いお侍〜!畑仕事さ終わっただよ〜!」
 と、その継母の連れ子であるいつきが大きなカボチャを抱えて帰って来ました。
 更に、
「ああ!だめですよいつきちゃん、今の、暴走お兄さんは、青いお侍さんではなくシンデレラさんです☆」
 と、語尾に☆を付けながら、もう一人の連れ子の鶴姫が習い事から帰って来ました。
 本来のお話では、二人はシンデレラに意地悪をしなければなりませんが、二人とも兄貴属性で頼りがいがあって(ヤンキーみたいだけど自分よりもちっちゃい子には何だか優しい)何よりお料理がとっても御上手!な、奥州筆頭、伊達政宗ことシンデレラにすっかり懐いていました。
 シンデレラの方でも、持ち前の兄貴属性が刺激され、騒がしい妹(役どころは義姉)達の世話をついついやいていました。
 最早、二人の立派なお兄ちゃんです。
 そんなある日のことでした。
 お城から舞踏会の招待状が届きました。
 なんと王子様の花嫁選びを兼ねているのだそうです。
 お城の王子様と言えば、凛々しくて男前で格好良くて巷で有名なお方です。
 二人の義姉達は大はしゃぎでした。
「お城の舞踏会……宵闇の羽のお方と…キャ☆私ったら」
「オラ、舞踏会さ何来ていけばいいだかわからねぇだよ…」
「Ha!安心しないつき、この独眼りゅ……シンデレラが、最高に粋でcoolな衣装を見立てやろうじゃねぇか」
 しょんぼりするいつきに、兄貴属性なシンデレラは、ドヤ顔でそう言いました。
「本当だか!?なら、あの子鬼をギャフンと言う衣装を頼むだ!」
「OK!任せときな!」
「あ!いつきちゃんズルいです!シンデレラさん!私とお市ちゃ…お母様もお願いします☆」
「市も…舞踏会に行くの…?」
「勿論です!きっと楽しいですよ☆」
 こうしてシンデレラは、ウキウキと落ち着かない義姉達と無気力な継母の為にドレス一式を用意し、三人分の美容院と馬車をチャーターして送り出しました。
「Fum…、これで二人の嫁入り先と、魔王のい…じゃねぇ…母上の再婚相手が見つかりゃあいいんだがな…」
 と、シンデレラが一人ごちて、屋敷の中に戻ろうとしたその時でした…
 
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