戦国BASARAかってに外伝
□妻に似て…
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ある日の鬼庭左月と輝宗。
「いやぁ、若君も立派になられましたなぁ」
と、家臣の鬼庭左月が言った。
「そうであろう?義姫に似て鼻筋の通った若者になったものよ」
と、輝宗は嬉しそうに言った。
「肌が白いのも義姫様似でございますかな?」
「うむ。アレは色白だからのぅ」
輝宗はうんうんと肯いた。
「以前は内気な方で心配しておりましたが…」
「そうであったな…ワシも一時は心配したが、なに、流石は義姫の子よ!気の強い子になったわ」
「確かに、ずいぶん勇ましくなられましたなぁ」
左月はしみじみと言った。
「そうであろう?やはり義姫の………」
突然輝宗の言葉が途切れた。
「…?殿」
心配した左月が輝宗の顔を覗き込むと、
「うぅ…ワシに似とらん…!!」
輝宗はさめざめと涙を流した。
「……」
左月は何も言えなかった。