戦国BASARAかってに外伝
□愛息子の初陣3
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政宗が出陣した後の本陣で、輝宗は落ち着きなく歩き回っていた。
「殿、先ほどから落ち着きがありませぬぞ」
と、見かねた基信が輝宗に言ったが、どうやら耳に入っていないらしく、歩き回るのを止めない。
「殿!」
「まぁまぁ基信、仕方あるまい。殿は先ほど出陣された政宗様が心配でしょ―がないんじゃよ」
と、左月が言った。
その言葉に輝宗は肯いた。
「左様だ…ワシは心配でならん!もしあの子の身に何かあったら…」
輝宗の脳内に、急速にイメージが広がっていった――…
政宗を捕らえた雑兵は、抵抗する政宗を荒縄で縛り上げ、無理やり装備と陣羽織を脱がし…
「ゲヒヒヒ、たっぷり可愛がってやるぜ」
「あぁ…やめろぉぉ…」
輝宗の中で何かが切れた。
とその時、政宗が本陣に帰還した。
「只今もど…」
「ぅおのれぇぇぇい!!ワシの息子に何をするかぁぁぁ!!!」
「と、殿!?」
「落ち着かれませぇ!」
「えぇい放せぇぇぇ!邪魔立て致すなぁぁ!馬引けぇぇぇい!」
「殿がご乱心じゃ―!」
「ち、父上…?」
なぜか半狂乱になっている父を見て、政宗は唖然として立ち尽くした。