戦国BASARAかってに外伝
□あの人はどこへ?
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政宗様がいなくなった…
……まぁ、珍しいことではない。
……遺憾ではあるが。
『竜の右目』こと片倉小十郎は、眉間にシワを刻みつつ、深く、深ぁ〜く溜め息を吐いた。
彼の主『奥州筆頭』伊達政宗は、政務に飽きるか、ふと気まぐれを起すとブラリといなくなる。
まぁ、いつものことだ…
ところが、いつもはどこにいても何をしていても必ず見つけ出せる主が、今日に限って全く見つからなかった。
「いったいどこに行かれたのだ…」
小十郎が再び溜め息を吐こうとした正にその時、
「片倉様―――っ!」
兵士の一人が血相を変えて走って来た。
「どうした?政宗様が見つかったのか?」
「い、いえ、それが…」
「片倉殿ぉぉぉっ!!」
「!?」
突然、男の叫び声が響いた。
「野郎!あの人数を突破しやがったのかっ?!」
「人数?突破?何のことだ…?」
と、小十郎が兵士を問い質そうとした時、
「片倉殿ぉぉぉ―っ!!」
殆ど裸に近い格好をした男が、数人の兵士達に追われながら小十郎の名を連呼してこちらに走って来るではないか。
その男の姿を見た瞬間、小十郎は驚きに目を見開いた。
「なっ?!前田利家殿?!」
「かっ片倉殿―っ!!」
どうやら小十郎の姿を確認したらしい利家は、進路を塞ぐ兵士達をなぎ倒し、小十郎に向かって全力で突進して来た。
「ま、前田殿!!なぜ貴方がこ」
ここに、のところで、
「片倉殿っ!!ま、まつに会わせてくれぇぇ―――っっ!!」
という利家の魂の叫びに、小十郎の言葉はかき消された。
「………………………は?」
とりあえず、それしか言えなかった。